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大型ディーゼル・サルーンの実力は アウディS7 vs メルセデスCLS 400d vs アルピナD5 S 後編

10/20(日) 9:50配信

AUTOCAR JAPAN

最も重要な高速道路での走りは

われわれが最初に注目したのは、これらのクルマにとって最も重要な高速走行だ。メルセデスは非常に快適でありながら、今までになく深く低いレザーシートでGTらしさが際立っている。そして同じくレザーのステアリングは大きめで細くやや古風だが持ちやすい。

【写真】高性能ディーゼルサルーン3台比較 (53枚)

アルピナも同様に快適だが、内装の質感は他の2台を上回り、スイッチ類もシンプルでありながらエレガントだ。特別スポーティな感じはしないが、そういった類のクルマではないので当然だ。アルピナはサスペンションやハンドリングに加え、BMWのターボ付き直6エンジンにも手を加えているが、5シリーズのサルーンらしいフィーリングは消えていない。

一方で、アウディはより道路と一体化したような感覚だ。内装は水平的なダッシュボードに加え、2枚の非常にシャープなタッチスクリーンで構成されている。車内の雰囲気は若干冷たく、少し高めのシートからの眺めは良好だが、他の2台ほどクルマとの一体感は感じられなかった。

しかし、巡航時の走りは良好だ。2050kgの車重はこの3台の中でも最も重いが、M1を走る限りではこの重量が安定感に貢献しているようであった。この個体はコイルスプリングにアダプティブダンパーという組み合わせだが、エアスプリングを選択することも可能だ。

メルセデスはエアサスペンションが標準だが、その乗り心地は20インチにランフラットという組みわせゆえアウディに及ばない。ドライビングポジションは良好だが、手のひらや太ももに伝わる路面の感触がダイレクトすぎるのである。

鋭い回頭性を見せるアウディ

しかし意外なことに英国の道路ではこのバイエルン製のD5 Sが他の2台を上回る乗り味を示したのだ。荒れた路面に対しフロントアクスルが過剰な反応を示す場面こそあるものの、高速域においてはメルセデスで感じたパタパタとした感触を忘れ去るほどであった。

いずれの3台ともに、低回転からの溢れ出るトルクが魅力だ。追越車線からのオーバーテイクは非常に容易で、シフトを変えずとも軽々とスピードを増していく。今回の3台ともに20km/L近い燃費を叩き出し、高速走行のみであればその航続距離は1280kmにも及ぶ。

よりテクニカルな道では、アウディは活発な動きを見せる。アジリティについていえば、ソフトなメルセデスに勝ち目はない。メルセデスの挙動は自然ではあるものの、快適な領域を超えると鈍重さが顔を覗かせるのだ。公道走行でもブレーキが早々に音を上げ、アンダーステア傾向も目立つ。AMGモデルはより良いのだろうが、価格帯の違うクルマになってしまう。

ではアウディはメルセデスを下したのかと言えば、話はそう単純ではない。CLS400dの直6はやや粗削りだが、トルク特性はより優れており、低速域でも扱いやすい。一方のアウディは四輪操舵やそのステアリングレスポンスによる操縦性が魅力だ。

スポーツ・デフにより、積極的にタイトな走行ラインを取ることができ、ややオーバーステア傾向にすら感じられる。しかしその挙動は若干唐突でスイッチのようだ。刺激的ではあるが、メルセデスはより純粋で自然な挙動を示すのである。

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最終更新:10/20(日) 9:50
AUTOCAR JAPAN

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