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斬新すぎたデザイン 3代目ビュイック・リビエラ ハリウッドの名脇役 後編

10/20(日) 16:50配信

AUTOCAR JAPAN

市場の人気は得られなかった3代目

text:Alstair Clements(アラステア・クレメンツ)
photo:Will Williams (ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
大胆なエクステリアデザインを得た3代目ビュイック・リビエラは、市場の人気が得られなかった。フロント・サスペンションはダブルウイッシュボーン式となり、コーナリング性能が向上。マスメディアの反応も悪くはなかったが、1971年のリビエラの販売台数は3万3810台と低迷する。

【写真】ビュイック・リビエラ (26枚)

自動車雑誌のロードテスト誌には、「直線性能を残したまま、ハンドリングも宝石のように美しい。新しいリビエラのエンスージャストへの訴求力も高い」 と評価している。一方で鋭利なテールエンドのデザインには「リビエラのオーナーになったら、致命的な武器にもなることに注意してほしい」 と付け加えている。

ビュイックのモデルレンジの中で頂点となるクルマらしく、リビエラは非常に優れた装備を備えていた。モノコックではなく、シャシーの上にボディが架装されていたが、ACスパークプラグ部門が開発した、マックス・トラックと呼ばれるシステムは注目に値する。

現在のトラクションコントロール・システムの先駆けで、小型コンピューターとセンサーで前輪と後輪との回転速度の差を検出し、ホイールスピンを検出する機能。また1972年に追加された、リアデッキのルーバーを通じて自然換気を行う「フルフロー」も賢い機能といえる。

今回のリビエラも1972年式なので、まれにリアのルーバーから排気ガスが流れ込むことがある。巨大な格子状のグリルと、巨大なバンパーの先端にゴムモールが付いていることも特徴。

7456ccのビッグブロックV8に3速AT

毎年のようにマイナーチェンジが行われていた当時、発表の翌年に加えられた変更が小さかったことは、基本的なデザインが優れていた証。環境規制が厳しくなったことに合わせてエンジンの圧縮比は下がり、排気ガスの循環システムも採用され、1971年モデルより最高出力は5ps落ちている。

一方で1972年モデルだからといって、環境性能を高める装備が付いているわけではない。標準グレードとグランスポーツとの間には10psの差があったが、V8エンジンの排気量は7456ccと巨大。1967年から続くユニットで3速ATと組み合わされる。

運転感覚は、見た目から期待する通り。乗り心地は柔らかく、タイヤはこまめに振動する。路面からの入力に対しては、シトロエンのハイドロニューマチックのように効果的に吸収してくれる。極めて軽いパワーステアリングは、意外にもクイック。ロックトゥロックは3回転もない。

アメリカの自動車雑誌にはスポーティと書かれていたが、リビエラを運転するのなら、サイドウインドウを下げ、肘をドアの上に乗せて、超軽ステのステアリングに指を添えて走るのが良い。

ビニールレザーで覆われたパワー・ベンチシートは大きく、3名掛け。高級車という位置付けだったことが良く分かる。ダッシュボードはV8エンジンを反復するようにVの字にえぐられている。2ゾーンエアコンはオプションだったが、クルーズコントロールと機能的なラジオが備わる。

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最終更新:10/20(日) 16:50
AUTOCAR JAPAN

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