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JR四国 経営効率が最も悪い予土線 通学支える鉄路 北宇和高生多く利用

10/20(日) 9:29配信

愛媛新聞ONLINE

【鬼北に活気 高知からも】
 鉄道事業の赤字が続くJR四国。最も経営効率が悪いのが、愛媛県と高知県を結ぶ予土線だ。過疎化に伴い利用客が減少する中、愛媛県や沿線市町などでつくる「県鉄道ネットワークあり方検討会」は本年度中に利用促進策をまとめる予定だ。鉄路をどう守るのか。現地を取材した。
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 9日朝、高知県四万十市のJR江川崎駅には午前7時19分発宇和島行きの普通列車(1両)が止まっていた。まもなく発車というころ、数人の北宇和高校生が乗り込んだ。車両の中は2、3人を除けばほぼ同校の生徒。早速プリントやノートを手に英語や地理などの勉強にいそしんでいた。
 鬼北町近永のJR近永駅に近い北宇和高校は、他市町から列車通学する生徒が約130人おり、全校生のおよそ半数を占める。高知県からも13人がJR予土線を利用している。

【親近感あった】
 3年の岡崎萌佳さん(18)は姉が通っていたことなどもあり県境を越え同校に進んだ。鬼北町の中心部には買い物などで家族らとよく来ていて親近感もあったという。「汽車通学で仲良くなった子もいて友達が増えた」という。
 3年の小出亮太さん(17)は部活動が高校選択の決め手となった。近くの中村高校西土佐分校には野球部がなく、他の高知県の高校に入れば下宿生活となる。自宅から通えて野球部があるのは北宇和高校だけだった。入部して主将も経験し「先生の指導もありがたく充実した日々だった」と振り返る。

【バス便はなく】
 予土線の代替手段として宇和島市を発着する宇和島自動車の路線バスがあるが、松野町中心部までで、県境を越えて四万十市方面に行く便はない。線路への倒木や大雨で不通になった場合、友人同士で話し合って誰かの親に送迎してもらうケースが多いという。それでも2人は「予土線があったから高校生活を満喫できている」と言い切る。岡崎さんは「後輩たちも北高(ほっこう)で学びたいと思うはず。これからも維持してもらいたい」と願っている。
 同校が今年新設した地域創生推進課の課長を務める相原克也教諭(53)は「万が一、予土線が走らなくなれば志願者数は減り、町の活気にも影響を及ぼすと思う」と懸念する。

【近永駅活性化】
 鬼北町は本年度、予土線の活性化へ新たな動きをみせている。「近永駅周辺賑(にぎ)わい創出プロジェクト」と銘打ち、同校生徒や住民を巻き込んで駅舎活用や周辺商店街の活性化の検討を始めた。企画振興課の二宮浩課長は「高校生の柔軟な発想が思わぬ効果を生み出すことはあると思う」と期待。同校も「今のにぎわいが保たれることを願い、町の動きに協力している」(相原教諭)と歩調をそろえる。

愛媛新聞社

最終更新:10/24(木) 13:10
愛媛新聞ONLINE

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