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三菱重工、スペースジェット納入延期報道に声明「日程は適切に共有」

10/21(月) 11:53配信

Aviation Wire

 三菱重工業(7011)と子会社で「三菱スペースジェット(旧MRJ)」を開発する三菱航空機は10月21日、日本経済新聞が19日朝刊で報じた納入延期に向けた調整について、会社側の発表ではないとの声明を発表した。一方で、6度目となる納入遅延を明確に否定はしていない。

 現在示されているスペースジェットの納期は2020年半ばで、2017年1月23日に示された5度目の延期のもの。当初は2013年だったが、その後2014年4-6月期、2015年度の半ば以降、2017年4-6月期、2018年中ごろとずれ込み、現在の2020年半ばとなった。今回延期が正式発表された場合は6度目となり、2020年内の引き渡しが難しくなる可能性がある。

 スペースジェットは機体の安全性を国が証明する「型式証明(TC)」の取得に向け、米国で飛行試験を実施している。しかし、追加投入する飛行試験機の製造開発段階で配線系統の課題があるなど、順調とはいいがたい状況が続いている。

 三菱重工は21日、「飛行安全を徹底的に追求することを第一に詳細の検討作業を慎重に進めている。開発や納期に及ぼす影響等を常に精査しながら、全体スケジュールの最新化・最適化に取り組んでおり、こうしたスケジュールについては、適切に関係先の皆様と共有していく」とコメントした。6度目の延期については、これまでに日経以外の報道機関も報じている。

 また、量産初号機を納入後も課題は残る。2号機以降を順調に引き渡せるかをはじめ、量産体制が滞りなく滑り出せるかが未知数な点だ。航空会社が定期便にスペースジェットを投入する場合、1機のみでは座席数の違いなどから効率的な運航は難しく、機体の整備スケジュールなどを考慮すると早期に2機目以降が必要になる。

 三菱航空機の水谷久和社長は「三菱重工が自衛隊に納入していた機体は年に数機のペースだったので、月産3機以上のペースで完成機を造ったことがない」と過去に述べており、機体開発と並行してコンスタントに量産できる体制作りも不可欠だ。

 機体名は、6月13日に三菱スペースジェット(Mitsubishi SpaceJet)に改称。標準型のMRJ90(標準座席数88席)は「SpaceJet M90」に改め、短胴型のMRJ70(76席)を発展させ、M90をベースに開発する機体は「SpaceJet M100」としている。

 三菱重工は、31日に第2四半期決算を発表予定。泉澤清次社長が登壇予定で、この問題にどのような見解を示すかが注目される。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:10/21(月) 11:53
Aviation Wire

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