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【特集】「移動スーパー」女性販売員 笑顔と心遣い 京都・丹後半島

10/21(月) 18:57配信

読売テレビ

 日々の食料や日用品の購入に困難を感じる、いわゆる“買い物難民”と呼ばれる人たち。その救世主となっている「移動スーパー」で、全国でも売り上げトップクラスの販売員を追った。

 全国で400台以上の車が活躍している移動スーパー「とくし丸」。京都府北部の丹後半島を担当するのは、地元・宮津市出身の水口美穂さん(49)。販売員になって5年目だが、売り上げは全国トップクラス。

水口さん「皆が笑顔になって、自分も笑顔になって、こんな良い仕事はないと思います」
客「すごいいいわ、この人。感じがいい。愛想がいい」
客「お友達になってしまって、えこひいきなしにしてくれる」

 いつも笑顔の接客で、多くのおばあちゃん、おじいちゃん達のアイドル的存在だ。

 水口さんが向かった先は民家のガレージ。家の持ち主の好意で、とくし丸のために使わせてもらっている。舟屋が立ち並ぶ京都府北部の伊根町。ここには1件もスーパーがない。

 「とくし丸」が到着すると、続々とお客さんが現れる。

水口さん「ちゃんと水分取っとる?」
客「取っとる、取っとる」

 週に2度のペースで訪れるから、全員が顔見知り。必ず声をかける。

 買い物をしたお客さんを最後まで見送るのも水口流のおもてなし。

水口さん「はい、おおきに。またね」
水口さん「喋りたいんです。皆大好きやから喋りたいんです。うるさがられても喋ります」

 朝7時、水口さんの一日が始まる。商品は与謝野町にあるスーパーから仕入れる。一体、どんなものを仕入れているのか。

 「とくし丸」の販売員はすべて個人事業主で、売り上げの17%が収入となる。水口さんは商品選びもお客さんのことを第一に考えている。

水口さん「あんまり高いものは持って行きたくない。例えばほうれん草とかだったら、小松菜を持って行くとか」

 すべての準備を終え、店を出発するのは午前10時ごろ。水口さんが担当しているのは丹後半島の東側。天橋立などの有名な観光名所はあるが、地元の人が利用する公共交通機関はほとんどない。車がなければ、買い物に行くのも難しい高齢者のために、曜日ごと3つのコースを回っている。

 足が悪いお客さんのために、買ったものを玄関まで持っていく。こういったきめ細かい心遣いが、水口さんが愛され、ファンを増やす理由だ。

 1日平均19か所を回る水口さん。時には家の軒先で店を開くことも。

客「家で一人でおるので、すごい助かります。家の前に止めてもらうので、有難いなと思とります」

 「とくし丸」での販売は、スーパーの値段よりも10円高く設定されている。この10円分を販売員とスーパーで折半する仕組みだ。

 なぜ、この仕事をやろうと思ったのか。

水口さん「ここに来るまでに介護のデイサービス行って、介護の仕事をした後に事務だった。『事務か~』という感じで、もっと体を動かす仕事、人と接する仕事がしたくて、うずうずしていて」

 自分が生まれ育った地元に元気を届けたい。そんな思いを持って「とくし丸」の販売員になり、今年で5年目を迎える。お客さんに寄り添うことを何より大切にしている水口さん。その結果、命を救ったこともあった。

おばあちゃん「5月に脳こうそくになって、ちょうど買い物に来た時に。水口さんが早くに見つけてくれて、救急車も呼んでくれて、(後遺症も)何も残らずに帰ってこれた」
水口さん「その日は様子が明らかにおかしかったので。でも、普通に会話もされるし、どうかなと思ったんですけど、でも見つかって良かったです、本当に」

 水口さんが訪れている伊根町の集落では、最近嬉しい大ニュースがあった。実はこの地域で、約16年ぶりに赤ちゃんが誕生した。

水口さん「Iターンなんですよ。関東の方から、どこでしたっけ神谷さん」
神谷佳秀さん「東京から来て、ちょうど2年。そこで家買って、子どもが4か月前に生まれた」

 東京から伊根町に移り住んだ神谷一家。夫の佳秀は元々バーテンダーをやっていたが、田舎暮らしにあこがれ、移住先を探していた。

神谷佳秀さん「旅行して、そんな中から見ているうちに伊根が良くて、海が綺麗で魚も取れるし、自分達で畑をやるスペースもあって、家を分けて貰って改築、自分達でDIYできるっていうのが見つかったので、じゃあ、もう引っ越そうかって」
水口さん「赤ちゃんのためにも良いね、皆で地域で育ててもらうっていうのは、絶対」
神谷菜都子さん「ここに来れば大体のおばあちゃんに会えるので。皆とお話をしたり可愛がってもらって」
神谷佳秀さん「そういうコミュニティーの場でもあるんでしょうね。水口さんが色んな情報を教えてくれる」
神谷菜都子さん「水口さんが毎回明るくて、皆を盛り上げてくださるんで、より楽しいです」

水口さん「最初は、同じ方に会いに行く。向こうもこっちも飽きるんちゃうかなとか思ったこともあるんですけど、でも、毎回私は楽しみで、あんまりモノを売るっていう感覚が未だになくて、どっちか言ったら親戚のおっちゃん、おばちゃんところに毎日会いに来ているっていう感じが強いですかね」

 出会う人みんなを笑顔にする「移動スーパー」。これからも素敵な笑顔を届け続ける。

最終更新:10/22(火) 12:11
読売テレビ

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