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該当者なしの「沢村賞」 堀内委員長は日本の“過保護”なシステムに苦言

10/21(月) 17:01配信

スポーツ報知

 シーズンで最高の「先発完投型」投手を表彰する「沢村賞」が、19年ぶりに「該当者なし」となった。

 9回を締めるストッパーに加え、近年は7、8回を担うセットアッパーの役割も重視されるようになり、もはや絶滅寸前ともいえる先発完投型。メジャーで先発投手の“合格ライン”とされる「クオリティ・スタート(QS)」(6回以上自責点3以内)は、日本でも普通に使われるようになってきた。

 今季、沢村賞の選考基準7項目の中で1人も到達者がいなかったのは「投球回200以上」と「完投10試合以上」の2つ。そもそも規定投球回(143回)に到達した投手がセ・パ合わせて15人で、うち4人はシーズン最後の登板で何とかクリアしている。完投は大瀬良(広島)の6試合が最多で、次が今永(DeNA)と菅野(巨人)の3試合。パは千賀(ソフトバンク)ら4人が2試合で“最多”という有りさまだ。

 沢村賞でも近年、「日本版QS」として、「7回以上自責点3以内(8回以降に4点目を失った場合を除く」を選考の参考資料に加えている。しかし、選考委員会の堀内恒夫委員長は「時代に合わないから基準の数字を変えようという考えはない」と、賞の権威を守っていく考えを示した。

 先発投手の役割自体が変わりつつある中で、同委員長は「QSなどを考慮しなきゃいけないというのはある」としている。一方で私見として、「完投数や投球回が減ったのは、米国のシステムをそのまま日本に持ってきているのが原因」とも指摘した。

 「あちらは(レギュラーシーズンの)162試合を、日本より遅く始めて早く終わっている。それだけ連戦が多い。だから先発は100球で中4日じゃないと回らない。日本は100球で1週間空く。それはおかしいんじゃないかと私は感じている。米国(100球で中4日)は合理的なシステムだが、それをはき違えて導入していることに抵抗を持っている」と、中6日が基本となっている現在の日本球界の“過保護”ぶりに苦言を呈した。

 いずれも200勝以上を達成している往年の名投手が顔をそろえる選考委員会。他の委員からも「プロ、アマともに球数制限の方向に行きすぎている。イニングをガンガン投げられて、(首脳陣も)最後まで投げさせてもいいという投手が、各チームに1人くらい出現してほしい」(山田久志委員)、「(今回最後まで候補になった)山口君も有原君も、分業制がなければもっと完投して、イニングも投げていたと思う」(平松政次委員)など、「先発完投型」の復活を願う声が相次いだ。

◆沢村賞選考委員

堀内恒夫氏(71)=巨人で通算203勝、178完投

村田兆治氏(69)=ロッテで通算215勝、184完投

平松政次氏(72)=大洋で通算201勝、145完投

山田久志氏(71)=阪急で通算284勝、283完投

北別府学氏(62)=広島で通算213勝、135完投

※完投には敗戦も含む

最終更新:10/21(月) 22:45
スポーツ報知

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