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前夫の痕跡をなくした後に芽生えた夢は〈自宅リセット・3〉

10/21(月) 12:00配信

婦人公論.jp

人生の折々には、家族構成の変化やライフイベントをきっかけに、「よし、片づけよう!」と一念発起する瞬間が訪れるもの。その機を逃さず、みごと「自宅リセット」を成し遂げた人たちが、自身を奮い立たせた理由とは何だったのだろうか? シングルマザーの里佳子さん(仮名)が再婚を機に決意したことはーー(取材・文=武香織)

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◆前の人の「気」がこびりついている感じ

元夫が建てた一軒家に、2人の息子と暮らしてきたシングルマザーの里佳子さん(47歳・保育士)は、昨年、12歳年下の男性と再婚した。

そして夫が引っ越してきたのを機に、家じゅうを大掃除することになった。というのも、夫が、元夫の痕跡を見つけては、「これは見たくない。あれも嫌だ」と、拒否反応を示したからだ。そして、家中の床や壁を、「前の人の『気』がこびりついている感じがする」と、険しい顔で黙々と拭き続けた。

「夫も私と同じバツイチで、元妻が引き取ったとはいえ、2人の子どもの父親です。なので、元夫のことにこだわるほど幼くないだろう、と思っていたら……あまりにも直球な言動に驚きました。でも年は一回り下だし、まあ、かわいい嫉妬だな、と」

カーテンとベッドのマットレスも買い換えた。そして、元夫が購入した家具、里佳子さんがプレゼントでもらったバッグ、洋服、アクセサリーなどをリサイクルショップに売り払うことに。

「前の結婚指輪も売りました。数千円ぽっちでしたけどね。大型ワゴン車に売る物をギューギュー詰めにして、自宅と3往復。全部で約1万円の売り上げになったのですが、そのお金も残さないほうがすっきりするなーと思い、家族4人で食べ放題の店に行って、きれいに使いきりました(笑)」

◆芽生えた夫婦共通の夢は…

そうして、片づいた家で始まった再婚生活。半年ほど経った頃、夫婦共通の夢が芽生えた。

「私も夫も、保育士として働いています。けれど、民間の保育園は、人手不足もあって子どもとしっかり向き合える園が少なくて……どこで働いてもジレンマに陥るんです。だったら、自宅のリビングをリフォームして、保育園を一から作ろう! と、意見が一致したんです」

そこで、子どもたちが十分に遊べるスペースを作るべく、さらなる片づけが始まった。使わないまましまい込んでいたマッサージ器や扇風機、幼児には危険なガラス扉の棚などを処分。さらに、畳から汚れに強いフローリングに張り替えた。物を減らす一方で増やすべき物もあり、おもちゃや絵本を収納する木製の備え付け棚を、日曜大工が趣味の里佳子さんの父が着々と作ってくれている。

「一回りも下の夫との再婚に反対だった父親も、最近はよく家に来てくれます。さらに、高卒の長男と、通信制高校在学中の次男が、『通信教育で大学に通って、保育士の免許を取るよ』と言い出して……。将来は家族経営の保育園も実現できるかも。来年、認可保育園の申請が通れば、まずは夫婦だけで開園します! これまで離婚や突然の引っ越しで何度か片づけをしたことはあるけれど、こんなにもワクワクする片づけは初めてでした」

さまざまな人生の転機で行う片づけは、空間だけでなく、自分の生き方や考え方も一度リセットし、新しく夢や希望と出会うきっかけにもなるようだ。

武香織

最終更新:10/21(月) 12:00
婦人公論.jp

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