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「人面魚の次はサメを撮ったんですけど…」65歳のおじさんと記者の私

10/21(月) 17:12配信

沖縄タイムス

 新聞社には、さまざまな人から電話がかかってくる。
 読んだ記事を批判をする人もいれば、酔っ払った勢いで言いたいことを言って満足して切ってしまう人、本当?冗談?どっちなんだと思う内容を話してくれる人…。

鳥を食べ始めたとみられるオオジョロウグモ

 2019年10月のある日、私は朝の7時から会社にいた。まだ同僚は出社しておらず、固定電話が鳴れば対応していた。そして、見慣れない番号の電話が鳴った。「読者です。人面魚の次は川でサメを3匹撮ったんですけど」。おぉぉぉぉ。本当?冗談?どっちなんだ。(デジタル部・與那覇里子)

 写真を見せてもらえないかと申し出ると、その日の昼には沖縄タイムス本社に来てくれた。

 おじさんは65歳。ハスキーな声の持ち主で、名前は糸数幸栄(こうえい)さん。那覇市内からバスに乗って駆けつけてくれた。ソファに腰掛けると、A型の獅子座だとも教えてくれた。私はB型のさそり座なのだが、相性はどうなんだろう。

 糸数さんの人面魚の写真は6月23日の沖縄タイムスに掲載されていた。その日の紙面を見ると、読者が投稿できる写真コーナー「私の一点」に「ギョギョ!人面魚」というタイトルであった。確かに、人面魚のように見える。

 いきさつとしては、ことしの5月15日、書店に行った帰りに、自動販売機でコーヒーを買って飲んでいた。遊歩道にある水路を眺めていたら、人面魚が出てきたという。持っていたカメラで夢中で撮った。
 「周りの友だちに人面魚が居ると言っても、誰も知らないし、信じてくれないから、新聞に初めて投稿することにしたんですよ」。
 それがこの一枚だった。

 私は人面魚の話を聞いていたはずが、糸数さんは突然、撮影してきた写真や思い出の新聞記事を広げて、自分の人生を話し始めた。

 糸数さんは20代の時はダイナハ(現・那覇市のジュンク堂書店)で働いていた。「この時の私、カッコいいって言われていたよ。芸能人にも似ていると言われて、もううれしくてね」

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最終更新:10/21(月) 17:25
沖縄タイムス

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