ここから本文です

航空会社のマイル制度が環境汚染を助長、英諮問機関が課税や廃止を提言

10/21(月) 16:52配信

The Guardian

【記者:Aaron Walawalkar】
 飛行機を頻繁に利用する「フリークエントフライヤー」に優先的なサービスを提供する各航空会社のマイレージ・プログラムは、その「特権」が飛行機の利用を助長しており廃止すべきだ──。英国政府の諮問機関、気候変動委員会(CCC)の委託を受けて作成された報告書はこのほど、こうした提言を行った。

 報告書は、CCCの委託を受けた英インペリアル・カレッジ・ロンドンのリチャード・カーマイケル博士が作成した。報告書では、フリークエントフライヤーの搭乗回数を抑制する一方で、年次休暇での利用者の負担にならないよう配慮した「段階的な航空マイル税」を導入することも提言している。課税による税収は、航空機の二酸化炭素削減技術の開発に充てるべきだとしている。

 報告書の提言は、英国の人口の15%に当たる人々を対象としている。これらの人々は、全旅客航空便の70%を利用しているという。その一方で、1年に1度も飛行機を利用していない人々は人口の半数を占める。

「飛行機を際限なく利用できる制度には異議を唱えるべきだ。環境を極度に汚染するぜいたくは課税に値する」。報告書はそう指摘し、環境汚染を最も助長している人々は「さらに高額の税でも容易に支払える」とも述べた。

 マイレージ・プログラムは、全世界に数百種類あると推定されており、廃止されれば多くの利用者が影響を受ける可能性もある。「乗り放題」パスやマイル付与制度などに規制を設けることで、過度な利用や利用促進を防ぐことができると報告書は述べている。

 また、さらなる政策上の提言として、航空機の炭素排出量について人々にわかりやすく伝えることを航空会社に求めている。例えば、家庭の年間平均排出量と比較することにより、利用を検討している人々が決断に役立てることができる。

 報告書では、航空業界に対する政策だけでなく、国民が一丸となって気候危機に対処するため、肉や乳製品の消費削減、移動手段を自動車から自転車に変更、家庭用ガスボイラーを電気機器に交換といった、幅広いライフスタイルの変化が提唱された。

 英国では、世界の主要経済国の中で初めて、2050年までに温室効果ガスの排出量を差し引きゼロとする「カーボンニュートラル」を達成することが法的に定められている。【翻訳編集】AFPBB News

「ガーディアン」とは:
1821年創刊。デーリー・テレグラフ、タイムズなどと並ぶ英国を代表する高級朝刊紙。2014年ピュリツァー賞の公益部門金賞を受賞。

最終更新:10/21(月) 16:52
The Guardian

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事