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年金は払っても損? 「老後2000万円問題」に隠れた本当の問題とは?

10/21(月) 17:50配信

ファイナンシャルフィールド

6月3日に金融庁から発表された、金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」により、「老後2000万円問題」という言葉がすっかり定着しました。

周囲でも「政治が悪い」「年金払ってもソン」という声もあれば、反対に「2000万円で足りるの? 」「足りないっていうのは知っていたよ」とさまざまな声が聞こえてきました。この問題の中にある、大切な本当の問題についてここで触れていきたいと思います。

「老後2000万円の根拠は? 」

こちらのデータは総務省の「家計調査」より出されたもので、いわゆる高齢者無職世帯のモデルケースとしてしばしば使われている資料です。

毎月の実収入の20万9198円に対し、実支出が26万3718円。差額が5万4520円ですので、毎月この金額が不足し、この金額を貯蓄から切り崩さなければならない計算です。5万4520円(月)×12ヶ月×30年(老後の余命)=1962万7200円となることから、老後2000万円が不足であると言われました。

本当に年金はもらえない?

モデルケースをおさらいしてみましょう。このデータは現在の夫65歳、妻60歳をケースにしています。

実収入から確認します。社会保障給付(老齢年金)19万1880円給付されています。これは現在の高齢者世帯だからこそ受け取れている金額です。10年後、20年後を考えると、明らかにここの給付額が減るであろうことが想定されます。

なぜなら老齢年金は現役世代の社会保障費によって、高齢者の給付に充てられています。これから少子高齢化のため現役世代が少なくなるため、高齢者1人を支える現役世代の負担が大きくなるはずですが、老齢年金保険料はもう上がらないと約束されています。

よって現役世帯全体から徴収する社会保障費の総額自体が減ることが想定されますが、厚生労働省は減らさないよう対策を続けています。また、厚生年金の保険料率は引き上げがストップしています。

厚生年金の保険料率は、年金制度改正に基づき平成16年から段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月を最後に引き上げが終了し、厚生年金保険料率は18.3%で固定されています。国民年金保険料も段階的に引き上げられ3年前から1万6000円台に入りましたが、この範囲内を推移しています。

保険料を支払う現役世代が減っていきます。しかし保険料はほぼ固定、総給付額は高齢者が増えることにより増加。つまり徴収する保険料は減っているにもかかわらず給付が増えています。

すでにこの時点で矛盾が発生していることがお分かりになると思います。この要因は、想定をはるかに超える高齢化が進んだことにあります。

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最終更新:10/21(月) 17:50
ファイナンシャルフィールド

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