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神戸・古橋亨梧はいかにして覚醒したか? イニエスタの“魔法の言葉”と知られざる物語

10/21(月) 18:10配信

REAL SPORTS

アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャなど、世界屈指の名手が集うヴィッセル神戸で、まばゆいばかりの輝きを放っている男がいる。

古橋亨梧――。その異次元のスピードから瞬く間にゴールを陥れる24歳の若武者は、気が付けばスター軍団に欠かせない存在へと成長し、海外移籍をうわさされるまでになった。ほんの1年前までJ2で戦っていた古橋は、いかにしてこの舞台へと駆け上がることができたのだろうか? そこには、知られざる物語がある――。


(本記事は、8月31日に『REAL SPORTS』で掲載された記事に一部、加筆・修正を行って掲載しています)

酒井高徳も驚いた古橋の異能ぶり

日本サッカー界に舞い降りたクラッキ、アンドレス・イニエスタの創造性と意外性に富んだプレーを楽しみにスタジアムへ足を運び、あるいはヴィッセル神戸の試合を視聴したファンのほとんどが、「あの選手はいったい誰なんだ?」と驚いているはずだ。

速い。とにかく速い。イニエスタをはじめとする味方のパスに反応して相手の最終ラインの裏を突き、対峙するディフェンダーを瞬く間に置き去りにしてゴールを奪う。身長170cm、体重63kgの体に異次元のスピードを搭載したアタッカー、古橋亨梧の韋駄天ぶりに誰もが目を奪われる。

元スペイン代表のストライカー、フェルナンド・トーレスの引退試合として、世界的に注目された8月23日のサガン鳥栖とのJ1リーグ第24節。敵地・駅前不動産スタジアムのピッチを縦横無尽に駆け回り、自身の2ゴールを含めた4得点に絡んで主役の座を奪ったのが古橋だった。

圧巻だったのは3対0で迎えた54分。自陣からMF酒井高徳が仕掛け、左タッチライン際を駆け上がったロングカウンターのフィナーレだった。酒井に反応し、ハーフウェイラインあたりからスプリントしていた古橋が、ペナルティーエリア内へ入っていく刹那でギアをさらに上げる。

鳥栖のセンターバックの間に割り込み、抜き去り、トップスピードに乗ったまま最後は宙を舞うようにスライディング。目の前でハーフバウンドした酒井のクロスに、必死に伸ばした右足の裏をヒットさせると、ボールは逆サイドのネットに吸い込まれていった。

ブンデスリーガのシュトゥットガルトとハンブルガーSVで7年半にわたってプレーし、今夏に日本サッカー界へ復帰した元日本代表の酒井の言葉を聞けば、古橋の異能ぶりが伝わってくる。

「20m、30m以降から速い選手はヨーロッパでも多いけど、初速というか、最初の20mであそこまで速いタイプはなかなかいない。また違った速さですよね。報道で海外移籍の話がいろいろと出ているのは、彼のよさもでもあるあの特徴が、海外でも魅力的に捉えられているからだと思う」

73分にもスピードを生かしてゴールを決めるなど、自身にとって初体験の1試合2ゴールと3試合連続ゴールをマーク。28節のサンフレッチェ広島戦にもゴールをあげ、今シーズン通算9ゴールは昨シーズンの5ゴールを大きく上回る。まばゆいスポットライトを浴びている24歳の古橋は、昨年の7月まではJ2の舞台で戦っていた。

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最終更新:10/21(月) 22:08
REAL SPORTS

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