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毎日解剖しても間に合わない…ドラマで人気も人手不足な「法医学者のリアル」

10/21(月) 19:01配信

AbemaTIMES

 『サイン』『アンナチュラル』『監察医 朝顔』など、次々とドラマの舞台になっている法医学の現場。18日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、ドラマでは描かれることのない法医学者の現実に迫った。

【映像】ドラマより地味で大変!? 現役法医学者が解説“司法解剖“のリアル

■「友達が6人いたら、1人は警察扱いになる」

 変死体だけでなく、病院や自宅において死亡した場合も、医師による死亡診断書がないケースなどは「異状死」と呼ばれ、検視官・医師による事件性や死因を調査する検視(検案)が行われることになっている。ここで死因が判明しなければ、監察医制度のある大都市では行政解剖が、そうでない場合は遺族の承諾のもとで法医学教室などが解剖を行う。さらに犯罪の可能性がある場合も、法医学教室などが司法解剖を行っている。2018年に検視された遺体は約17万人(交通事故などを除く)で、そのうち解剖されたのは2万344人(12%)に上る。

 神奈川歯科大学歯学部・神奈川剖検センター長の長谷川巖教授は「例えば病院で医師の診断のもと、その診断名で亡くなったものを異状死と呼ぶが、実は亡くなった方のうち15%~20%程度がそれに該当しているので、意外にたくさんの方がいらっしゃる。つまり友達が6人いたら、1人は警察扱いになるということなので、決して他人事ではない。ただ、解剖する前の段階の検案で死因が分かり、そこで終わる方の方が多いので、行政解剖、さらに犯罪性のある司法解剖となる方の割合は少ない。また、解剖は医師免許の他に厚生労働大臣が発行する資格認定証がなければ実施できないため、警察からその地域にある大学の法医学の医師に電話で依頼が来るのが基本だ。ただ、私も含め法医学の先生は大学の教員なので、講義や講演などもある。そこは警察に時間を調整して頂くこともある。それでも事件によっては一刻を争う場合もあるので、全ての仕事を棚上げし、その日のうちに搬送してもらい、大至急で死因究明をすることもある」と説明する。

 また、世界の解剖率を見てみると、スウェーデン89%、オーストラリア54%、イギリス46%、そして日本は12%となっている。

 「スウェーデンは福祉国家ということもあるし、中東には国の制度で解剖ができないという国もある。また、文化の違いもあると思う。亡くなってしまえばお体はお体、ソウル(魂)は別にあるという考え方の人たちもいるが、日本では亡くなった後も体に傷をつけることに抵抗感がある。だから日本の数字が高いのがいいというのは一概には言えない」(長谷川教授)

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最終更新:10/21(月) 19:01
AbemaTIMES

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