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TOPIXは日経平均より優れた指標だが、なぜ日経平均より使われないのか?

10/21(月) 21:15配信

LIMO

TOPIXの方が日経平均株価より優れているのに、世の中では日経平均株価が使われている理由を、久留米大学商学部の塚崎公義教授が解説します。

TOPIXは日経平均より優れた指標

日本の株式市場の動きを全体として見る場合、TOPIXか日経平均を見るのが普通ですが、両者を比較するとTOPIXの方が優れています。

日経平均株価の基本は、主要225社の株価を単純に平均したものです。したがって、値がさ株(株価の高い銘柄)の動きが大きく反映されてしまうという問題があります。

たとえば、トヨタ自動車とファーストリテイリングを比べると、前者の方が発行済株式数がはるかに大きく、株式時価総額もはるかに大きく、したがって前者の値動きの方がはるかに重要なのですが、前者の株価が1割上がり、後者の株価が1割下がると日経平均株価は下がってしまう、といったことが起きてしまうわけです。

ちなみに、過去との比較をする必要があるため、「株式分割によって株価が下がった銘柄がある場合には、単純に平均した値を水増しして、分割前と日経平均株価が変化しないように調整する」という作業が行われています。

225銘柄の中で2万円を超えているのは少数ですが、日経平均株価が2万円を超えているのは、こうした調整が行われているからなのですね。

一方で、TOPIXは、東証1部に上場する全銘柄の時価総額の変化を指数化したものですから、トヨタ自動車の株価が1割上がり、ファーストリテイリングの株価が1割下がった場合には、TOPIXは上昇します。

また、225銘柄に含まれない多くの銘柄の値動きも反映されるので、その点でも日経平均より優れていると言えるでしょう。

そこで、機関投資家などは、日経平均よりTOPIXを重視しているようですが、一般の人々の会話にTOPIXが登場することは稀で、日経平均ばかり登場しているのが現実でしょう。なぜ、そんなことが起きるのでしょうか。

皆が使うものを使う方が便利だから

新入社員が経済を勉強し始めたとします。TOPIXの値動きを頭に入れて出社しても、上司も先輩も取引先も日経平均の話ばかりしていたら、TOPIXの値動きについて語るチャンスがないかもしれませんし、語っても誰も興味を示してくれないかもしれません。

一方、日経平均の値動きを頭に入れておカば、会話に参加することができ、「新人なのに、よく勉強している」などと褒められるかもしれません。

そうなると、新入社員は翌日からも日経平均を頭に入れて出勤するようになります。そして、翌年の新入社員に向かって「TOPIXより日経平均を見なさい」と教育するようになるのです。

こうしてすべてのサラリーマンが日経平均を見るようになり、マスコミもTOPIXより日経平均について記すようになり、ますます多くの投資家が日経平均の話をするようになっていくわけですね。

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最終更新:10/21(月) 21:15
LIMO

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