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チリ暴動、工場放火で5人死亡 地下鉄運賃値上げめぐり

10/21(月) 12:18配信

BBC News

地下鉄運賃の値上げをめぐる暴動が続く南米チリで20日、首都サンティアゴ近郊の繊維工場が放火され、5人が死亡した。

チリ政府は今月初め、燃料価格の高騰などを理由に、地下鉄運賃を値上げした。これが、生活費の高騰や不平等に不満を抱く国民の怒りを買い、18日に暴動が始まった。

軍と警察は20日、催涙ガスや放水砲を使って鎮圧を試みた。政府はサンティアゴ、ヴァルパライソ、コキンボ、ビオビオに夜間外出禁止令を発令した。

保守派のセバスティアン・ピニェラ大統領は、関係当局との緊急会議後、「民主国家には民主主義そのものが与えるあらゆる手段を使って民主主義を守り、法の支配を破壊しようとする者たちと戦う、その権利だけでなく、義務があると、私は確信している」と述べ、政府の対応を擁護した。

移動の自由や集会を開く権利を制限するため、ピニェラ氏は18日、国内の5つの地域に非常事態を宣言したものの、暴動は各地に拡大し続けた。

■値上げ撤回も事態は収束せず

ピニェラ氏は19日、地下鉄運賃の値上げ撤回を発表。「謙虚な姿勢」で「同胞の声」に耳を傾けたとしている。

サンティアゴ市内には、数千の兵士と戦車が配備された。これは、アウグスト・ピノチェト独裁政権が崩壊して民主化が進んだ1990年以降初めてのこと。

略奪行為や放火は20日も続き、複数のバスが燃やされたほか地下鉄の駅が破壊され、治安部隊とデモ隊が衝突した。

サンティアゴのほぼすべての公共交通機関と、国際空港からの出発便が運休となった。複数店舗も休業を余儀なくされた。

19日にはスーパーマーケット2店舗で放火事件があり、3人が死亡した。

当局によると、これまでに国内で合わせて1400人以上を拘束。警察との衝突で2人が銃弾で負傷したという。

過去数十年で最悪の情勢不安によって、富裕層と、不平等を訴える地域の分断が浮き彫りとなり、経済改革を求める声はいっそう高まった。

(英語記事 Chile looters torch factory, killing five)

(c) BBC News

最終更新:10/21(月) 12:18
BBC News

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