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AV専門家も納得、「iPhone 11」の画質・音質をチェック

10/22(火) 18:11配信

マイナビニュース

アップルの「iPhone 11」シリーズ、量販店の店頭では「入荷待ち」の表示がいまだ多く見られ、好調に売れているようです。オーディオ・ビジュアルライターでもある筆者は、ハイエンドモデル「iPhone 11 Pro」シリーズに初めて搭載された「Super Retina XDRディスプレイ」の高画質と、内蔵スピーカーによる迫力のサウンドを実現する「空間オーディオ」の出来映えの良さに圧倒されました。それぞれの実力を存分に引き出すためのテクニックを紹介しましょう。

【写真】左がiPhone 11 Pro Max、右がiPhone 11。画面の明るさを最大にして比較すると、やはりiPhone 11の明るく力強いディスプレイの特徴が浮き彫りに

恐るべきiPhone 11 Proの高画質ディスプレイ

まずは、今回登場した3つの新しいiPhone 11シリーズについて、ディスプレイとオーディオまわりのスペックを整理したいと思います。

5.8インチの「iPhone 11 Pro」と6.5インチの「iPhone 11 Pro Max」には、新規に開発した有機ELディスプレイ「Super Retina XDR」が搭載されました。2018年発売の「iPhone XS」シリーズに載っているSuper Retina HDディスプレイから解像度と画素密度は変更されていませんが、コントラスト性能は100万対1の倍となる200万対1に向上しています。


画面の最大輝度値も大きく変わりました。最大輝度とは、映像の明るい部分のピークを再現できる限界値を意味しています。最大輝度は単純に高ければ良いというものではなく、明るすぎる映像は目に負担をかけるだけ。大事なのは「暗部も含めた明暗のバランスの良い表現力を備えているかどうか」です。

その点で、歴代のiPhoneが搭載してきたディスプレイは明るさ、色合いが自然なバランスにまとまっていることが特徴だと筆者は感じています。iPhone 11 Proシリーズが搭載するHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)対応のディスプレイも、自然なバランスを保ちながら最大輝度の表現幅が上がったことで、晴天下の明るい屋外、または室内でも動画や静止画が立体的にクッキリと表示され、さらに見やすくなったと感じます。

iPhone 11 Proシリーズに搭載されているSuper Retina XDRディスプレイは、端末を使う環境や表示するコンテンツによって、2つの最大輝度値が切り替わる仕組みになりました。

日光が射す明るい昼間の環境下では、例えば写真を撮影して画面でプレビューする際にも高い視認性を確保するため、最大輝度800nitsの表示を可能としています。iTunes Storeで提供しているHDR対応の映像コンテンツや、iPhoneで撮影したHDRビデオ・写真を再生する時には、ピーク輝度の表示限界が一気に1,200nitsまで持ち上がります。

iPhoneらしいと感じたのが、ユーザーが最大輝度の設定を意識して変える必要がないこと。周囲の環境とコンテンツの内容に応じて、自動的にディスプレイの明るさとコントラストのバランスが切り替わり、動画や写真をベストコンディションで楽しめることが、iPhone 11 Proシリーズの優れた新機能なのです。

iPhone 11は、2018年に登場した「iPhone XR」と同じく、6.1インチの液晶パネル「Liquid Retina HDディスプレイ」を搭載しています。視野角の広いIPS方式の液晶ディスプレイなので、斜め方向から画面をのぞき込んでも均一な解像感と正しく色や輝度ムラのない画面表示が得られます。


有機ELのiPhone 11 Proシリーズに比べると、コントラストや最大輝度のスペック上の値はやや劣るものの、iPhone 11も十分に明るくメリハリの効いた画面表示を可能にしているので、屋内外を問わず表示が鮮明で目が疲れにくいと感じました。

内蔵スピーカーの音は「空間オーディオ」で一皮むけた

オーディオ再生まわりは、2019年のiPhoneが3機種ともに搭載する「空間オーディオ」に注目しています。本体に内蔵するステレオスピーカーで、力強く広がり感のあるサラウンド再生ができる技術です。

空間オーディオは、新たに改良を加えた内蔵ステレオスピーカーと、アップルの独自開発による最新のSoC「A13 Bionic」のDSPに載る高度な音声信号処理のアルゴリズムによって実現しています。そのため、2019年に発売されたiPhone 11シリーズでしか楽しむことができません。

モバイル端末で迫力あるサラウンド再生を実現する「Dolby Atmos」の技術については、iPhone XR以降の端末にiOS 13をインストールすることによって共通に楽しめます。ただし、Dolby Atmosは実力をフルに発揮するために対応するコンテンツを再生する必要があります。一方の空間オーディオは、iPhoneで再生するあらゆる“音もの”コンテンツに効果があるところが大きく違います。

空間オーディオも、ユーザーが設定のオン・オフを切り替える手間がありません。つまりiPhone 11シリーズは、いつでも臨場感あふれるスピーカーサウンドが楽しめるようになったのです。

映画にスポーツ中継、YouTubeの音も大迫力

実際にiPhone 11 Pro Maxを使い、映像はHDRに対応、音声もDolby Atmosで収録されているNetflixの映画「ローマ/ROMA」を再生してみました。

同じシーンを、Super Retina HDディスプレイを搭載する2017年発売の「iPhone X」の映像と比べながら視聴すると、やはり明暗のコントラスト感はiPhone 11 Pro Maxで大きく向上しています。人物の肌の質感が立体的に見えるようになり、透き通るような艶が乗ってきます。

海辺のシーンでは、砂粒や木の葉のディティールがより引き立ち、細かな被写体の立体感が際立っています。平面なディスプレイなのに、映像が奥行き方向にも無限に広がるように感じられ、自然と物語の舞台に引き込まれるようなリアリティが漂いはじめます。

役者が明るい太陽の光を背に受けながら物語が展開する“逆光”のシーンも、太陽はピークの明るさをつぶさず、また画面全体が白くぼやけるようなことがなく、被写体の階調を滑らかに蘇らせます。反対に、陰になる暗部も黒つぶれしないので、物語にとって大事な役者の表情や繊細な体の動きの変化も見逃しません。濃淡のグラデーションをつぶさず、また一段と丁寧に描けるようになったところも、Super Retina XDRディスプレイを搭載するiPhone 11 Pro Maxの魅力であると感じました。

映画を見るときには、空間オーディオによる迫力あふれるサウンドとのコンビネーションをぜひ楽しみたいものです。ある程度の音量が出せる室内であれば、ぜひ一度ヘッドホンやイヤホンを使わずに、内蔵スピーカーをフルに活用しながら鑑賞してほしいと思います。空間オーディオの醍醐味を満喫できることうけあいです。

映画の効果音とダイアローグ(セリフ)が混じり合わず、明瞭に描き分けられるセパレーションの良さはもちろん確保されています。Apple Musicで音楽を再生する場合も、スピーカーによる空間オーディオの真価が発揮され、コンサートホールのような臨場感に包まれます。スタンダードな価格で購入できる「iPhone 11」にもこの機能が載っていることが大事なポイントだと筆者は考えています。“iPhoneは良質なスピーカー再生が楽しめるスマホ”であることを、広くiPhoneユーザーが体感できるようになるからです。

もうひとつ空間オーディオが活きるコンテンツに、スポーツのライブ中継などがあります。ストリーミングコンテンツが数多くそろうDAZN(ダ・ゾーン)も、新しいiPhone 11シリーズと相性の良いプラットフォームでした。スタジアムの迫力を画と音の両方で生々しく再現できるスマホを探しているのであれば、iPhone 11 Pro Maxがベストです。

空間オーディオは、YouTubeのコンテンツを見る時にも音が明瞭になってとても聞きやすくなる効果があります。そして、11月1日からはアップルのオリジナルコンテンツもそろう動画配信サービス「Apple TV+」も始まるので楽しみです。

Apple Musicで音楽を聴く際にも「空間オーディオ」は有効です。ただ、やはりiPhoneのスピーカーは本体を目の前に20~30cmぐらいの距離を置いて聴いた時にベストな音が楽しめるように設計されているので、リビングルームなどある程度の広さがある部屋でクリアな音を楽しむ場合は、夏に発売されたアップルのSiri内蔵スマートスピーカー「HomePod」とのコンビネーションがベターといえます。AirPlay 2によりiPhoneをリモコン代わりにしながら、好みの楽曲をスムーズに検索・再生できるHomePodとの相性は抜群に良好だと感じました。

映像と音楽再生のパフォーマンスに関して、iPhone 11シリーズは大きな飛躍を遂げています。マルチレンズユニットに一新されたカメラ機能と併せて考えてみても、2018年のiPhoneからの買い換えも真剣に検討してみるべき「買いのiPhone」が誕生したといえそうです。

山本敦

最終更新:10/23(水) 18:04
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