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美しい氷上にクラシックカーが集まる!「無粋な方はお断り」の集いとは?前編

10/22(火) 19:33配信

octane.jp

スイスのサンモリッツでは、「クレスタ・ラン」を訪れた後に、氷上でベントレー・ボーイよろしく過ごしてみるのはいかがだろうか。アルプスで催された「無粋な方はお断り」の集いへようこそ。戦前の英国ブルックランズ・サーキットでは、「場にふさわしい人々と、混みあわない場(The right crowd and no crowding)」がモットーとされていた。

美しい氷上にクラシックカーが集まる!「無粋な方はお断り」の集いとは?前編(写真7点)

まるで、このたびスイスのサンモリッツで催されたICEギャザリングのために練られたかのような名言だ。このイベントは、アルプスの高級リゾート地に位置する凍結した湖の上で開催された。冬の日差しがふりそそぐ湖は、見事な5つ星ホテルの数々から見渡すことができる。ただ、開催が今年になったのは予定外の流れからだった。立案者のマルコ・マカウスは、若かりし頃にこのイベントの着想を得たという。

きっかけは、英国の元オリンピック・ボブスレー選手である、エキセントリックなキース・シェレンバーグの印象からだった。当時、シェレンバーグはサンモリッツで開催されるクレスタ・ラン(小型そりのスケルトンによる競技レース)に参加するために、英国からスイスまでの遠路をはるばる運転した上に、所有のヴィンテージ・ベントレーに乗って氷上でおどけていたのだ。

しかし、マカウスのアイディアが再燃するまでには長い年月を待たねばならなかった。2019年初頭に、マカウス家はサンモリッツの厳格な現地当局から、この「国際的なコンクール・デレガンス(International Concours d’Elegance)」、すなわち頭文字から「ICEギャザリング」開催の許諾を得た。そこで彼は数人の友人にメールを送り、愛車で集まる1日限りの集いに招待したという。

ある意味では、これが2020年に開かれる初回イベントへのプレリュードとなった。ところが、昨今のソーシャル・メディアの底力もあいまって、わずかな間に20人もの本格的なコレクターから参加の確約が寄せられた。参加者のクルマはどれも興味深く、地元のフェラーリ・ディーラーに後方支援を依頼したり、格式高いバドラッツ・パレス・ホテルに参加者へのもてなしを願うには十分なレベルのものばかりだった。いよいよ当日。参加エントリーはさらに増え続けた。

「イベントを開いていると聞いたんだが、私も加われるかね?」
「恐縮ですが、募集枠はもう満員です。ちなみにそちらは?」
「1937年ベントレー。ガーニー・ナッティング社製のボディだよ」
「どうぞ。歓迎いたします」といった具合だ。

筆者が陸橋から会場を見渡していると、すがすがしい朝の空気に包まれた午前7時30分のスタートにあわせて、参加車が湖に集まってきた(夜明けは日光を意味し、つまり、氷が溶けていくことを意味する)。その光景ときたら、まるで、自家用飛行機などで世界中を飛び回る富裕なジェット族が、TVアニメ『チキチキマシン猛レース(原題:Wacky Races)』と映画『マッドマックス(原題:Mad Max)』を混ぜ合わせたような様相を呈しているといったところだ。金属的な音を皮切りに現れたのはランチア037で、アイコニックなマルティーニ・ストライプの外装でエンジンを最大限にふかしている。続いてスノー・チェーンを装着したフェラーリF40がスピンする。

そのすぐ後ろから聞こえてくるのはヴィンテージ・ベントレーが奏でる低音で、視界に入ってきたのは歳月にくすんだユニオン・ジャックの外装、ツイード調のアウトドア系クルー、そして後部座席に乗った犬だ。おまけに、1930年代のスキーを装着した人物も牽引しているではないか。これはまさしく、サンモリッツでしかお目にかかれないひとコマだろう。

Octane Japan 編集部

最終更新:10/22(火) 19:33
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