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ソフトバンク・工藤公康監督 現役時代の言葉から考察する采配の真意【後編】

10/22(火) 8:00配信

高校野球ドットコム

「選択肢を持って人を見る」で引き出す能力

 福岡ソフトバンクホークスの勢いは加速するばかりだ。読売ジャイアンツとのSMBC日本シリーズ第2戦も6対3で快勝し、東北楽天ゴールデンイーグルスとのクライマックスシリーズファーストステージ2戦目から、リーグ3連覇を果たした埼玉西武ライオンズとの同シリーズセカンドステージ4連勝と合わせ8連勝。今季5年目を迎える工藤 公康監督の采配は試合を追うごとに冴えわたっている。

【写真】指導者講習会の際、壇上で講義をする工藤公康監督

 その選手起用で特に光るのは今季後半から先発・控え問わず外野手として安定した守備で魅せ、打撃面でも日本シリーズ第2戦でも本塁打を放つなど多摩大聖ヶ丘(東京)高卒13年目で今が最も華の時を迎えている福田 秀平。そして城北(熊本)高から2010年育成ドラフト5位入団から9年目、クライマックスシリーズファイルステージ第3戦で一発を放つなど今季はかねてから定評のあった走力ばかりでなく、打撃面でも躍動している牧原 大成二塁手の2名であろう。

 シーズン中、福田は上林 誠知や一塁手もソツなくこなす中村 晃。牧原は渋いベテラン・川島慶三や明石健志とポジション争いを演じながら、ここまで成長を遂げてきた本人の努力は見事の一言。ただ、2009年・横浜ベイスターズでの現役当時「高校野球ドットコム」のインタビューで述べた「子どもたちに対する指導論」の項を見てみると、そこには工藤監督のアシストがあったことも垣間見える。では、その文を引いてみよう。

 「どういう選択肢を持って人を見るかが大事。この選手はどういう環境で、どういう生活を送ってきて、どういう人に野球を教わって(中略)その中でアドバイスをするんです。パッと見ただけでアドバイスをしているわけではありません。今の子どもたちは周りにたくさんの情報がある分、なぜそういう風に思って、なぜそういう風に言っているのかを言わないと、納得しません」

 「人・子どもたち」を「選手たち」、「アドバイス」を「どのタイミングで出場機会を与えるか」に置き換えれば、より分かりやすいはずだ。プロに入って積んできた選手個々の経験、環境からどの選手を起用するかをまずは考え、さらに前編で述べたコンディション状況も考慮に入れて最適なタイミングで選手をグラウンドに送り込む。

 日本シリーズ、第1戦ではデスパイネの代打で併殺崩れから1打点。第2戦ではグラシアルに代わって守備に入り、最初の打席で2ランを放った福田の起用法などはその真骨頂といえるだろう。

 かくして3年連続の日本一獲得まであと2勝として敵地・東京ドームに乗り込む福岡ソフトバンクホークス。多くのジャイアンツファンが取り囲む中、工藤監督が次にどんな引き出しを開けてくるのか?私たちも楽しみにしたい。

最終更新:10/22(火) 8:00
高校野球ドットコム

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