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衝撃の「NVIDIA、通信業界に“再参入”」。KDDIとSBが採用表明した“ソフトウェア化する5G基地局”とは

10/23(水) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

半導体メーカーNVIDIA(エヌビディア)のCEO、ジェンスン・フアン氏は、10月22日(現地時間)から開催される通信関連のイベント「MWC Los Angles 2019」のパートナープログラム講演に登壇した。

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2017年まではCTIAワイヤレス、2018年からはMWCの主催者であるGSMAとパートナーシップを組んで「MWC Americas」と名称を変え、今年からはMWC Los Angelsとさらに改名された同イベントは、5Gをテーマに開催している。

この中でフアン氏は「EGX Edge Supercomputing Platform」という新しい“エッジコンピューティング”と呼ばれる最新技術向けのサーバー製品群を発表した。また、これを活用した5G向けの通信機器を、スウェーデンのエリクソン、米国のレッドハットと協業して提供していくと明らかにした。

しかも、これらの製品は、日本の通信キャリアであるKDDI、ソフトバンクが評価を開始していると明らかにした。

NVIDIAはかつてTegra(テグラ)というスマートフォン/タブレット向けの半導体でモバイル市場に参入したものの、Qualcommとの競争に敗れて撤退したという経緯がある。だから、IT業界のなかでNVIDIAは通信キャリア向けの市場にはあまり興味がないと考えられていた。しかし、今回(端末側ではなく)インフラ側という違いはあるものの、通信キャリア向け事業への再参入をした格好。業界でも注目を集める出来事になってきた。

エッジとクラウドの間に置かれるエッジコンピューティング用サーバー

MWC Los Angels 2019の一番最初の公式イベントになったNVIDIA基調講演でフアン氏は「EGX」と呼ばれる新しいサーバー製品群を発表した。

従来、NVIDIAがディープラーニング(深層学習)の学習処理をするデータセンター向けに「DGX」と名付けたGPUサーバーを販売してきた。現在IT業界では、「エッジコンピューティング」(※)という新しい手法が注目を集めている。EGXはそうしたエッジコンピューティング用のサーバーとして販売されることになる。

※エッジコンピューティング:エッジ(スマートフォンなど実際の利用者)に近いところに、クラウドとエッジの間を補うサーバーなどを設置する分散型コンピューティングの手法のこと

NVIDIAの強みは、AIプログラムの開発手法として注目を集めるディープラーニングの学習用のプロセッサーとして、同社が販売するGPUが市場シェアほぼ100%に近い状態にあることだ。

ディープラーニングの「学習」とは、作成したAIのモデルに対して幼児学習のように、猫は猫、犬は犬と教え込むような作業のことで、膨大な演算能力が必要になる。このため、同社が販売するGPUのように、小さなデータを並列して一度に処理できるプロセッサーが適しているとされる。NVIDIAが提供するDGXのような超高性能なコンピューターをデータセンターなどに設置して、ディープラーニングの学習プロセスを高速に処理するということが、現在のAI開発での使われ方だ。

これに対して、(クラウドやデータセンターから離れ)ユーザーに近い場所に置いた中間サーバーで処理する「エッジコンピューティング」が、今注目を集めはじめている。ユーザーが利用しているデバイス(例:スマートフォンなど)に近い場所にサーバーがあるため、通信キャリアが展開する基地局の近くに置くことで、スマートフォン向けのさまざまなサービス提供に使えるからだ。

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最終更新:10/23(水) 17:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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