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投球後のアイシングは必要?野球選手に効果的なケアの方法

10/23(水) 17:02配信

Baseball Geeks

プロ野球や高校野球現場において投手が投球後に肩肘へのアイシングをしている光景を当たり前のように見かける。高校野球選手を対象にした肩肘へのアイシングに関する実態調査によると、アイシングを行なっている投手は84.5%おり、その内約60%の選手が「効果がある」と回答している(参考1、宮下ら)。しかし、アイシングをすると「だるくなる」、「動きにくくなる」などから、それを拒む選手もいる。
投球後に肩肘へのアイシングは本当に効果があるのだろうか。そこで今回は「状況に応じたアイシングの選択」という観点からアイシングの効果を整理し、その活用方法について紹介する。

野球選手はなぜアイシングをする必要があるの?

なぜ投球後に肩肘へのアイシングをするようになったのか?先行研究によると、100球前後の投球を繰り返すと、肩関節の可動域減少や肩関節周囲筋力低下といった肩関節機能が低下すると報告されている(参考2)。
この肩関節機能低下は投球障害発生の要因となるため、投球後にはその抑制および改善を図ることが求められる。その手段として取り組まれるようになったのがアイシングである。肩関節機能の低下は大きく以下の2つの要因に分けることができる。

(1)オーバーワークによって筋疲労したことにより筋や軟部組織が硬くなる場合
(2)肩肘を酷使したことにより痛みや炎症が発生した結果である場合

もし肩関節機能低下を引き起こした要因が(1)であれば、軽運動やストレッチのような循環を良くする方法が必要となり、(2)であれば痛みや炎症を抑えるアイシングが必要となる(図)。

多くの現場では何が要因で肩関節機能低下が起きているかを確認もしくは推察することすらなく「投球動作の繰り返し→肩肘に炎症発生」という流れが出来上がってしまっているため、「投球後には肩肘へのアイシング」という対応が野球現場において一般化している。

投手によって異なる投球後に感じる筋肉の痛み

投手によって、投球後に感じる症状は本当に異なるのだろうか?筆者は、下記二人の投手に、「80球の投球をした後の肩肘に感じる筋肉痛」についてヒアリングした。

投手A:1年ぶりに全力投球をする
投手B:日々投球練習をしている

投手Bは投球直後に若干肩肘への痛みを感じているものの、一定時間が経過すると症状は鎮静化している。一方、投手Aは直後に筋肉の痛みが増し、その後時間が経過する度にその度合いは増加した(図、参考3)。同じ投球数だとしても選手の状況によって肩肘の痛みは変わるのである。なぜこのような違いが生じるのであろうか?

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最終更新:10/23(水) 17:32
Baseball Geeks

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