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エンターテイメントを超えるVR、ヘルスケアの可能性

10/23(水) 17:00配信

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ゲームやエンターテイメントでの市場拡大がめざましいVR(ヴァーチャルリアリティ・仮想現実)とAR(オーグメンティッドリアリティ・拡張現実)。いまだエンターテイメントのイメージが強く、健康や医療とは即座にリンクしにくいが、実は2025年までにヘルスケア分野でのVR・ARは61億ドル市場になるという試算もある。今まさに注目株だ。

医学の補助的役割

現在、医学生の学習の場は2つある、といわれている。1つは講義や教科書を通しての学習、そしてもう1つは実際に病気の患者から学ぶ実習だ。

教科書や講義から学べるのは文字や図上のこと、病気の患者だって常に学生のために準備されているわけではない。こうした学習の場の限界をVRやARの技術で補えないかと考えているのである。

例えばすでにリリースされている「Pediatric Sim(小児科疑似体験)」。小児科救急での7つのシナリオ(アナフィラキシーショック、気管支炎、糖尿病性ケトンアシドートス、呼吸困難、てんかん、敗血症性ショック、頻拍症)を用意。

遊びではないが、広義での「ゲーム」を通じて正しい処置の仕方を教え、プレーヤーの判断や処置方法の評価(スコア)も出るしくみだ。

難しい手術の前に医師がVRによるシミュレーションを使用して「予行手術」をすることも可能だ。この手術シミュレーション、予行に使用するほかに、人体を使用しないでリアルな手術の経験を積むことができるという利点もある。

仮想・疑似体験ではあるものの、ある程度の練習を重ねることによってスキルアップも可能だ。同様に医学生がVRで生理学や解剖学をよりリアルに、手軽に研究できる上、何よりも低コスト。経験不足によって引き起こされる事故やリスクも減少すると考えられている。

すでに、2016年にはロンドンの病院で史上初、VRカメラを使用した大腸がんの切除手術が行われた。それまで、ベテラン医師の手さばきを至近距離で観察できる医学生は左右の肩越しに眺める2人に限られていたが、執刀医が360度のVRカメラを装着することによって、医師の目線が多くの医学生をはじめ海外のジャーナリスト、手術の無事終了を待ちわびている家族や親戚たちとリアルタイムでシェアできた。

またVRやARは既存の技術との併用も容易だ。AR技術は、二次元の画像診断を3D表示に変換でき、より具体的な体内の状況を把握できる。

例えばCTスキャンの画像や、歯科矯正治療の「術後予想図」を具体的かつ立体的に表示することによって、医師と患者の双方に納得のいく説明や治療方針を伝えることができるというものだ。

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最終更新:10/23(水) 17:00
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