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JPモルガンはなぜ「イン」を無料にしたのか──世界の大手銀が続々参加する決済情報基盤

10/23(水) 5:30配信

CoinDesk Japan

マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与の対策強化が世界各国の銀行に求められる中、国際決済を行う上で重要な受取人情報の確認を行うための新たなネットワークに参加する銀行が増えている。

その情報基盤は、米銀最大手のJPモルガン・チェースがイーサリアムのブロックチェーンを使って開発した「インターバンク・インフォメーション・ネットワーク(IIN)」で、通称「イン」と呼ばれている。

2018年のスタートから現在までに世界約350の銀行が参加を表明。日本からは三菱UFJ銀行、みずほ、三井住友のメガバンク3行を含む約80の金融機関が「イン」に加わっている。現在のところ参加費は無料で、インターネット環境またはAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)があれば利用できる。

そもそも海外送金はどんな仕組みで行われているのか。

SWIFTとIINの違い

送金は、送金人と受取人がそれぞれの取引銀行を介して成り立つが、銀行は通常、SWIFT(国際銀行間通信協会)のプラットフォームを利用して送金情報のやりとりを行っている。送金銀行と受取銀行の間で通貨決済を完了させるには、当該国の銀行を介する必要があるため、コルレス銀行(コルレス=Correspondentの略)がその取引の中継役を務めている。

例えば、東京に居住するA氏がニューヨーク在住のB氏に送金する場合、A氏の取引銀行はコルレス銀行Aに送金依頼をする。依頼を受けたコルレス銀行AはB氏の取引銀行のコルレス銀行Bに送金し、B氏の取引銀行が資金を受領する。

銀行は主要通貨ごとにコルレス先を有している。例えば、米ドルの主なコルレス銀行はJPモルガン・チェースやシティバンク。ユーロはドイツ銀行。日本円は三菱UFJ銀行があげられる。

ブロックチェーンで迅速、安全に

海外送金では、お金と情報が同時に移行していく。送金を行う際に追加的な情報が必要な場合(たとえば制裁対象等である可能性がある場合)、コンプライアンス照会の確認ができるまで送金が止まってしまう。コンプライアンス照会が滞れば、お金の移転も遅れるため、海外送金が時に数日の時間を要することがある。

この海外送金システムから、送金に付随する情報のやり取りを切り出し、コンプライアンス照会を迅速かつ効率的に行えるよう設計されているのが、「イン(IIN)」のプラットフォーム上で走る「RESOLVE」と呼ばれるアプリケーションである。

これまで不足情報や顧客の個人情報の照会は、送金チェーンをさかのぼる形や、安全性が劣る方法などでやり取りが行われていた。しかし、ブロックチェーンを活用したRESOLVE上では、情報を必要としている銀行と情報を所持している銀行が安全かつ、迅速に情報交換を行うことができる。これによって照会にかかる時間が短縮され、海外送金にかかる時間は短くなる。

9月、国際決済ではJPモルガンと競争関係にあるドイツ最大手銀のドイツ銀行が、インへの参加を決めた。銀行にとって資金の滞留はコストの増加につながる。インのネットワークを活用してコスト削減につながれば、競合が開発した情報基盤と言えども、それに参加する意味は大きいだろう。

また、ドル決済が不可欠で、貿易立国・日本の多くの銀行がインに参加する理由も明らかだ。

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最終更新:10/23(水) 10:44
CoinDesk Japan

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