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ブリヂストンが「世界初」新素材の3Dプリント製タイヤを提案

10/24(木) 7:40配信

MONOist

 ブリヂストンは「第46回東京モーターショー2019」(会期:2019年10月24日~11月4日、東京ビッグサイト他)に出展し、ゴムと樹脂を分子レベルで結び付けた「世界初」(同社)をうたうポリマー「SUSYM(サシム)」を用いた3Dプリント製コンセプトタイヤを参考出品した。

着色したSUSYMのシートと、SUSYMを用いることで部位ごとに硬さが変えられることを示した棒状のサンプル

 SUSYMは、従来のゴム素材よりも高強度、高耐久で、「耐突き刺し性」「再生・修復性」「低温耐衝撃性」といった特長を備える。また、ゴムと樹脂の配合を変えることで、部位ごとに任意の硬さを実現できるという。同社は、2016年にポリイソプレンゴムの合成に成功した段階で既にSUSYMの研究を開始しており、2018年5月発表の「High Strength Rubber」をさらに進化させるかたちで、SUSYMの開発に成功した。

 「SUSYMの特長を最大限に引き出したものが、今回のコンセプトタイヤだ。ホイール部分は硬く、接地面は柔らかくといったことを1つの素材で行っている。単に樹脂とゴムを混ぜ合わせただけだと界面が生じてそこから破損してしまうが、SUSYMは分子レベルでゴムと樹脂を結合しているためそういったことが起きない」(ブリヂストンの説明員)

 展示会場では、シート状にしたSUSYMを用いた実験映像を紹介。通常のタイヤに用いられるゴム素材の場合、クギが簡単に貫通してしまうが、SUSYMはクギが突き抜けることはなかった。万一、SUSYMのシートに穴があいたり、切れてしまったりしても熱を加えることで簡単に修復が可能。また低温にも強く、液体窒素をかけて低温状態にしたSUSYMをハンマーでたたく実験では、割れることなく形状を維持し続けていた(対して、通常のゴム素材は粉々に砕け散っていた)。

 参考出品したコンセプトタイヤは、単一材料でしなやかさや丈夫さを表現できる“竹細工”を参考に同社がデザインしたものだという。「SUSYMという素材そのものでも硬さをコントロールできるが、構造自体でも硬い所、柔らかい所を作ることで、コントロールできる幅がより広がると考えた。タイヤへの適用だけにとどまらず、いろいろな分野への応用も検討していき、イノベーション創出につなげていきたい」(ブリヂストンの説明員)。

 なお、3Dプリンタでの出力に関しては、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC) 田中浩也研究室が協力。大型の3Dプリンタを用いて造形を行ったという。

MONOist

最終更新:10/24(木) 7:40
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