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気候変動がメンタルヘルスに影響、欧米で広がる「環境不安」

10/24(木) 16:45配信

ロイター

 皆さんは「環境不安」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは気温や海面の上昇、さらにはハリケーンや台風といった深刻な自然災害の急増に伴い、不安感を感じるようになるメンタルヘルス上の問題だ。こうした悩みを訴える人が欧米や豪州、カナダなどで急増している。

 「悲しくて、悲しくて、立ち上がれない。これほどまでに悲しくなるなんてー」

 ジュディ・クレイマーさんは、「環境不安」と呼ばれるメンタルヘルス上の問題を抱えている。

 米国でも増えつつある「環境不安」、それは気候変動に伴う不安だ。

 クレイマーさんは「私は希望を感じない。地球の気候に不安と悲しみを感じる」と話す。

 米国精神医学会によると、気温や海面の上昇や深刻な災害など、気候変動はメンタルヘルスに悪影響を及ぼしているという。ただ同学会は、環境不安を精神障害には認定していない。

 それでも気候変動に特化したケアの必要性が高まっていると、一部の心理学者は指摘する。

 精神分析医のエリザベス・アルレッド氏は「これは大きな問題だ。個人で回避しようと思って、回避できる恐怖ではないからだ。またその怒りをどこにぶつけていいのかもわからない。原因となる問題がいまだに正しく対処されていないのだ」と話す。

 2児の父親であるデービッド・フレットさんも環境不安に悩む1人。クレイマーさんと同じ支援団体に参加し、日々困難に直面するという。

 「問題を認識している人は少ない。どんな未来になるのか理解していないこともあるが、問題の共通認識を得られないことで、孤独を感じる。それが不安の源だ」(フレットさん)

 専門家によると、行動に出ることが不安に対処する1つの方法だという。

 たとえばスウェーデンの16歳、グレタ・トゥンベリさん。彼女は11歳のときに気候変動の深刻さに気づいて絶望したという。その後、彼女は世界規模の運動の原点となった。

 精神分析医によると、人々に勇気を与える行動を起こすことこそ、この恐ろしい圧倒的な感情に対する、何よりの薬になるという。

最終更新:10/24(木) 16:45
ロイター

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