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坂口弘死刑囚が隣の独居房だった~佐藤優が明かす東京拘置所での“隣人”たち

2019/10/25(金) 12:30配信

ニッポン放送

ニッポン放送「ザ・フォーカス」(10月21日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。東京拘置所勾留中の環境について語った。

東京拘置所での環境

所謂“鈴木宗男事件”に絡んだ背任容疑で逮捕され、東京拘置所で512日勾留された佐藤優。そのときの環境や生活はどのようなものだったのか― 前編に当たる『東京拘置所で聴けるラジオ番組、美味しい食事メニュー……佐藤優が語る勾留の記憶』に続き、今回は勾留中の“隣人”たちについて―

森田耕次解説委員)荒川区の“ながさわ”さんからメールをいただいています。「拘置所に500日と聞いて驚きましたが、もっと長い人はいるのかな。最長の人が気になりました。佐藤さんは勾留中にそんなエピソードを聞いたことはありませんか? 拘置所にお友達とかはできるのですか?」と来ています。

佐藤)私の場合は「接見等禁止」措置というのが付いていました。

森田)接見とは面会……

佐藤)それから、文通、新聞、雑誌の購読が全面禁止なのです。したがって、他の房にいる人と話すことも禁止です。ですから、私は囚人の誰とも話したことはありません。当然友達はできないですよね。

佐藤)ただ、長くいたということだったら、隣にいたのが連合赤軍事件の坂口弘氏だったのです。

森田)死刑囚ですね。

佐藤)彼は何年くらいから入っているのかな、70年代の初めから入っていますから。

森田)隣の房だったのですか。

佐藤)隣でした。隣の房でいつも一生懸命に本を読んでいて、あとは書類が1メートル50センチほど積んであって、その上に絵が描いてあるのです。鉛筆で描いている山の絵で、今になって思うと、リンチ殺人事件のあった妙義山だと思います。

佐藤)どうして(坂口氏だと)気づいたのかというと……隣の部屋はときどきビデオが入るのですよ。テレビとビデオが合わさっている当時のVHSの。私もそれが見たくて、看守に聞いたら「シーッ、あとで」と言われて、あとで戻って来たら部屋の鍵を開けて中に入ってきて、小声で「本当は教えちゃいけないんだけども、“確定者”だけ」と言って去っていったのです。それで頭を働かせて考えてみました。“確定者”というのは通常、懲役が確定すると、その日のうちに丸坊主にされて囚人服に着替えされられて、袋貼り(作業)などをやって、1週間から10日経つといなくなってしまうのですが……

森田)刑務所に行きますからね。

佐藤)ところが、(確定しても)拘置所のなかにずっと留まる拘置者は、死刑囚だけなのです。死刑囚というのは(拘置所で)死刑が執行されたら死んでしまうわけですから、生きては出られない人たちです。そして、両隣にいつもビデオが入っているのですよ。ということは、両隣が確定死刑囚だったんです。

森田)いやぁ……

佐藤)これは看守が隣にいる人が誰か教えてくれるためだったと今になって思うのですが……電気髭剃りは1週間に2回しか借りられないので、毎日髭を剃りたいから自分で購入しまして。預かられているので、朝に願いを出すと使えるのですが、似ている髭剃りばかりだから名前が書いてあるのです。ある日、私に渡された髭剃りに『坂口弘』と書いてあって、「違います」と言ったら「ああ、間違えた」と。……教えてくれたわけですね。こういう環境でしたね。

森田)すごいですね。そんな環境に512日。

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最終更新:2019/10/25(金) 12:56
ニッポン放送

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