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IOC、マラソン東京開催「NO」…コーツ氏は小池都知事をバッサリ

10/26(土) 6:13配信

スポーツ報知

 2020年東京五輪・パラリンピックのマラソン・競歩の札幌移転案を巡り、東京都の小池百合子知事(67)と国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ調整委員長(69)が25日、都庁内で約1時間半にわたって会談した。IOC側は札幌開催について決定事項と強調した上で、東京開催の可能性を全否定した。移転に伴う追加費用は、大会経費の予備費などを充てる考えを示した。一方、小池知事はこれまで通り、東京開催を主張。両者の溝は埋まらず、結論は30日から都内で開かれる調整委員会に持ち越しとなった。

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 東京開催の可能性は「NO」だった。コーツ氏は小池知事との初会談後、30日の調整委員会でマラソンと競歩の開催地を東京に戻す可能性を問われ「ノーだ。東京に戻るということはない」と断言。さらに「もう意思決定はされてしまっている。IOC理事会はこういう決定をする権限を持っている」と札幌開催は既定路線との認識を強調した。

 コーツ氏はこの日、札幌移転案が「アスリート・ファースト」とする資料を都側に提示した。10月上旬までドーハで行われた世界陸上での男女マラソンと競歩の記録、レース当日の気候条件に加え、39選手が医療テントに運び込まれた様子などの写真を添えた資料で、“ドーハの悲劇”を訴えた。

 同大会では、女子マラソンに出場した68人のうち完走が40人だったことなどを指摘。「IOCはアスリートの健康を第一に念頭に置いている。東京の気温と比べ、5~6度低い札幌の条件がよい」との考えを改めて示した。

 一方の小池知事は不信感をあらわにした。「IOCの突然の変更案に私も都民の皆さんも驚き、落胆している」。これまで関係機関と協力してきたことを強調し、「(今月)3日にIOCからお墨付きをいただき、その意味では自信を持っている」と、あくまで東京開催にこだわる姿勢だ。

 関係者によると、札幌市への移転には、数十億円規模の予算が必要とされる。コーツ氏は費用負担について「予見しない事態に備えた予算、偶発的な資金がある」と話した。昨年12月に、組織委と都、国などでまとめた大会経費総額は1兆3500億円。ほかに、想定外の事態などに対応する予備費1000~3000億円が計上されている。また、チケットの払い戻しに加え、選手の宿泊に関する補償なども検討するとした。

 コーツ氏はIOCが協力できるプランとして、男女マラソンのメダリストの表彰式を閉会式で行うこと、東京以外の都市で実施された競技の選手が閉会式の参加前にパレードをする案も披露。移転への理解を求めたが、会談は平行線に終わり、調整委員会で改めて協議される。(奥津 友希乃)

 ◆東京五輪のマラソン・競歩を巡る動き

 ▽18年5月31日 マラソンと競歩のコースが組織委から正式に発表される。

 ▽同6月30日 マラソンの開始時間を当初の午前7時半から7時へと変更することが明らかに。

 ▽同11月21日 組織委がマラソンの開始時間を午前7時から6時へとさらに前倒しする方針が判明。

 ▽19年9月15日 MGCで男子は中村匠吾、服部勇馬、女子は前田穂南、鈴木亜由子が五輪代表内定。

 ▽同9月27~28日 ドーハ世界陸上の女子マラソンで高温多湿の影響で棄権者が続出。

 ▽同9月28日 同・男子50キロ競歩で鈴木雄介が金メダル獲得で五輪内定。

 ▽同10月4日 同・男子20キロ競歩で山西利和が金メダル、五輪内定。

 ▽同15日 東京都の小池百合子知事が大会組織委側から札幌開催案の状況を伝えられる。

 ▽同16日 IOCがマラソンと競歩を札幌開催に変更する代替案の検討に入ったと発表。

 ▽同17日 IOCのバッハ会長が「IOC理事会と大会組織委員会は札幌市に移すことに決めた」と発言。

 ▽同25日 IOCのコーツ氏と小池知事が初会談。

最終更新:10/26(土) 10:23
スポーツ報知

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