ここから本文です

富山の航空会社設立へ説明会 特急並み運賃で関空21年就航視野

10/28(月) 22:41配信

Aviation Wire

 富山空港と関西空港などを結ぶ地域航空会社の設立を目指すジェイ・キャス(千代田区)は10月28日、富山市内で事業説明会を開いた。ターボプロップ(プロペラ)機2機を使い、早ければ2021年秋の関西-富山線就航を目指す。

◆運賃はJR特急並み

 ジェイ・キャスの白根清司社長は日本航空(JAL/JL、9201)出身で、1997年から就航前のスカイマーク(SKY/BC)に携わった後、2001年に航空関連専門コンサルティング会社を設立した。ジェイ・キャスは2018年10月設立で、「10年前から検討した結果、関空-富山は採算が合うと判断した」と説明した。

 富山空港について、白根社長は「県の中央部に位置しており、市内から30分圏内で、駐車場が無料。国内線は全日本空輸(ANA/NH)の羽田線4往復と新千歳線1往復のみで、国際線はデイリー運航がない」と、十分に活用されていないと語った。

 一方、富山と関西を結ぶ鉄道については、「JRの特急サンダーバードは踏切事故や小動物との衝突などでよく止まる」と述べ、「アジアの出張で、羽田経由では14都市だが、関空なら64都市へ向かえる。なんばなどへの観光にも便利だ。鉄道は乗り継ぎが多く、荷物が多い訪日客が来たても来られない」と、訪日客の北陸への送客など空路で富山と関空を結ぶ意義を説いた。

 運賃はJRの特急利用時と競争できる価格帯を目指す。LCCのように需給変動で販売価格が大きく変動する形ではなく、特急に近い変動が少ない運賃を想定している。

◆機材・路線

 機材はデ・ハビランド・エアクラフト・オブ・カナダ(DHC)のDash 8-400(旧ボンバルディアDHC-8-Q400)か、仏ATRのATR72を新造機でリース導入する計画。当初は2機でスタートする。

 白根社長は「ターボプロップはジェットと比べて燃料費が40%以上安く、機体価格が半額で、着陸料が安い」と説明。「LCCはロードファクター(座席利用率)80%以上で利益を出すが、60%以上で採算が見込める」と語った。

 路線計画については、2021年秋の就航初年度は2機体制で、1機が関西-富山線を1日4往復と関西-能登線を同1往復し、もう1機で関西-米子線と岩国線を運航する計画。その後は4機体制で富山-中部線、富山-仙台線、富山-新潟線を考えているという。

◆資金調達・パイロット・グラハン

 資金調達は、地元企業やファンド、政府系金融機関などから30億円を集める計画。白根社長は「このうち5億円は利用が伸び悩んだ際の運転資金なので、25億円でもスタートできる」と説明した。

 航空会社を新たに設立する場合、資金調達と並んで難しいのが、パイロットや整備士の確保だ。白根社長は「自衛隊を退役した人を雇用する方向で、空幕とも話をしている」と述べ、元自衛官を中心に採用するという。

 また、空港での機体誘導や貨物の搭降載などグランドハンドリング(地上支援)は、「将来的には富山と関空は自社でグラハンをやりたいが、人手不足が課題」(白根社長)と、現場の人材集めには課題が残りそうだ。

◆設立難しい地域航空会社

 地域航空会社を設立する動きでは、福岡市のリンクが2013年に自己破産。2018年2月には、2019年就航を目指していた鹿児島県のエア奄美が資金調達に行き詰まり解散し、今年1月には東北・日本海側への就航を目指していた「エア・リージョナル・ジャパン」(千代田区)が破綻している。

 一方、国土交通省航空局(JCAB)は既存の地域航空会社の経営環境が厳しいことから、航空会社間で営業や整備面などで協力する体制作りを模索。地域ごとにニーズが異なることから、まずは九州で天草エアライン(AHX/MZ)とオリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)、JACの3社と、ANA、JALを加えた5社による「地域航空サービスアライアンス有限責任事業組合(EAS LLP)」が、10月26日に設立された。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:10/28(月) 22:43
Aviation Wire

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ