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ANAの787、20年度から全機稼働 エンジン改修完了へ

10/29(火) 20:44配信

Aviation Wire

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は10月29日、エンジン改修を進めているボーイング787型機について、2020年度から全機を稼働できるとの見通しを都内で明らかにした。

 ANAの787は、ロールス・ロイス製エンジン「トレント1000(Trent 1000)」を採用。改修が必要になったのは中圧圧縮機(IPC)のローターブレードで、亀裂が生じてブレードが飛行中に飛び散り、機体の操縦性を低下させる可能性があることがわかった。2018年4月にFAA(米国連邦航空局)とEASA(欧州航空安全局)がロールス・ロイスに対し、航空機の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」を出し、改修が全世界で進んでいる。

 ANAが現在運航している787は、標準型の787-8が36機、長胴型の787-9が33機、超長胴型の787-10が2機の71機で、受注残は787-9が11機と787-10が1機の計12機。ANAはエンジン改修作業に伴い、787の稼働を落としており、現在の運航計画も一定数の787が改修作業で運航から離脱することを見越して組まれている。

 ロールス・ロイスのウォーレン・イーストCEO(最高経営責任者)は昨年11月にAviation Wireの単独取材に応じた際、「2020年の東京オリンピックを視野に、早い時期に終えることが重要だ」と述べ、ANAのエンジンを優先的に改修していく方針を明らかにしていた。ANAによると、「ブレードも順調に入手できており、運航から離れる機数も想定を下回っている」として、計画通りに改修が進んでいるという。

 2020年度からすべての787を稼働させられる見込みであることから、羽田発着の国際線が増える3月29日開始の夏ダイヤも、現有機材で対応できる見通し。

 ANAは787とトレント1000の最大顧客で、大量欠航が生じた2018年7-9月期は787関連の減収が55億円にのぼった。

 29日に発表したANAHDの2019年4-9月期(20年3月期第2四半期)連結決算は、純利益が前年同期比23.0%減の567億8700万円だった。売上高は1.7%増の1兆559億8100万円、営業利益が25.0%減の788億8000万円、経常利益が20.8%減の815億1500万円と増収減益となった。通期予想は下方修正し、売上高2兆900億円(19年3月期比1.5%増)、営業益1400億円(15.2%減)、経常益1370億円(12.6%減)、純利益940億円(15.1%減)を見込む。

 いずれも米中関係の悪化による国際貨物の低迷や、従来ビジネスクラスだった企業の出張需要が一部ダウングレードしたことなどが影響している。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:10/29(火) 20:44
Aviation Wire

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