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ANA、19年4-9月期の純利益23%減 通期見通しは下方修正

10/30(水) 9:57配信

Aviation Wire

 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が10月29日に発表した2019年4-9月期(20年3月期第2四半期)連結決算は、純利益が前年同期比23.0%減の567億8700万円だった。2020年3月期通期の見通しは下方修正した。

 4-9月期の売上高は1.7%増の1兆559億8100万円、営業利益が25.0%減の788億8000万円、経常利益が20.8%減の815億1500万円と増収減益。ゴールデンウィークが10連休だったことなどで国内線と国際線ともに好調だったものの、米中関係の悪化による国際貨物の低迷や、従来ビジネスクラスだった企業の出張需要が一部ダウングレードしたことなどが影響した。

 営業費用は4.7%増の9771億円。営業利益率は7.5%(2.7ポイント低下)となった。航空事業の営業費用のうち、燃油費・燃料税は3.2%減の1660億円、整備部品・外注費は22.9%増の848億円、人件費は3.1%増の1066億円だった。

◆国際線

 国際線の旅客収入は2.3%増の3385億円。旅客数は前年並みの517万2000人、座席供給量を示すASK(有効座席キロ)は4.7%増の348億9300万席キロ、有償旅客を運んだ距離を示すRPK(有償旅客キロ)は3.9%増の268億500万人キロ、ロードファクター(座席利用率、L/F)は0.6ポイント低下し76.8%、旅客単価は2.3%増の6万5453円となった。

 ANAHDの福澤一郎グループ経理・財務室長兼財務企画・IR部長は、旅客数が伸び悩んだ要因について「中国やアジアで他社の供給が増加した」と述べ、海外勢が旺盛な訪日需要を取り込むため、提供座席数を増やしたことが影響したという。

 成田-ホノルル線には、5月24日からエアバスA380型機(4クラス520席)が週3往復で就航。7月からは週10往復化した。ハワイ路線は現在、成田-ホノルル線が週14往復(1日2往復)、羽田-ホノルル線が週7往復(1日1往復)の計週21往復(1日3往復)となっている。

 福澤氏によると、ハワイ全路線の特典航空券の利用(無償客)を含めた4-9月期の搭乗率は90%を超えており、10月以降の予約率も9割弱で推移しているという。

 また、8月から羽田-ロンドン線に投入しているボーイング777-300ER型機の新仕様機(4クラス212席)では、日本初の個室型ビジネスクラス「THE Room」を導入。約10年ぶりにビジネスのシートを刷新した。

 国際線の法人需要について、福澤氏は「ビジネスからエコノミーへのダウングレードがみられる」と4-9月期の状況に触れ、「THE Roomの出だしは好調。秋から路線を増やしていくが、これが起爆剤となって回復の呼び水になれば」と期待を寄せた。

 一方、貨物については米中貿易摩擦などの影響で、日本発中国向けと北米向けの需要が減退。国際線の貨物収入は20.4%減の511億円となった。

 福澤氏は国際貨物の現状について、「北米は自動車や建機、航空機部品に影響が出ている。欧州も米中問題とは直接関係ないが、自動車関連や半導体関連に少し影響が出ている。中国は半導体や電子部品で、アジアは自動車のパーツ関連と半導体の落ち込みが大きい。重量ベースでは、いずれも10-20%の落ち込み幅だ」と説明した。

◆国内線

 国内線の旅客収入は4.7%増の3687億円。旅客数は3.4%増の2310万2000人、ASKは3.0%増の302億5100万席キロ、RPKは3.8%増の212億9300万人キロ、L/Fは0.6ポイント上昇し70.4%、旅客単価は1.2%増の1万5961円となった。

◆LCC

 ピーチ・アビエーション(APJ/MM)とバニラエア(VNL/JW)によるLCC事業は、年度内の統合に向けた機体改修やパイロットの訓練などで、運航便数が一時的に減少。旅客収入は4.6%減の461億円、旅客数が1.8%減の399万5000人、L/Fが0.3ポイント低下し86.9%、旅客単価は2.9%減の1万1557円となった。

◆為替と燃油

 為替と燃油市況は、為替レートが1ドル108.6円、燃油費はドバイ原油が1バレル64.3米ドル、シンガポールケロシンが1バレル78.3米ドルとなった。

◆20年3月期見通し

 2020年3月期通期の連結業績見通しは下方修正。売上高は2兆900億円(19年3月期比1.5%増)、営業利益は1400億円(15.2%減)、経常利益は1370億円(12.6%減)、純利益は940億円(15.1%減)を見込む。

 引き下げ幅は、売上高が前回7月30日発表の予想より600億円減、営業益が250億円減、経常益が230億円減、純利益は140億円減とした。

Tadayuki YOSHIKAWA

最終更新:10/30(水) 9:57
Aviation Wire

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