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「蘇峰自伝」徳富蘇峰 記者にこだわり続けた94年 【あの名作その時代シリーズ】

10/31(木) 18:00配信 有料

西日本新聞

新聞記者の心得を後輩につづった書

 「あの名作その時代」は、九州を舞台とした作品、または九州人が書いた著作で、次代に残すべき100冊を選び、著者像や時代背景、今日的な意味を考えながら紹介するシリーズです。西日本新聞で「九州の100冊」(2006~08年)として連載したもので、この記事は07年11月11日付のものです。

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 何年前だったか、博多・箱崎の放生会の夜店で一冊の古いノートを見つけた。麻ひもでザラ紙をとじ、表紙に「蘇峯(そほう)集」とある。表紙裏は授業時間表。「珠」「修」「裁」など、今はない教科名が並び、「第六学年十二組 近藤正子」と鉛筆で書かれていた。

 約百枚のザラ紙には徳富蘇峰の新聞コラムがていねいにはられていた。昭和六年から十年まで大阪毎日新聞に掲載された記事で、最初のページが「『西洋文明の没落』を讀(よ)む」。福沢諭吉の娘婿で、「日本の電力王」と言われた福沢桃介が書いた冊子の書評だった。「脱亜入欧」を説いた義父に異を唱え、「西洋の没落、東洋の勃興(ぼっこう)」を力説したことに賛辞を送っている。

 昭和六年といえば、その後十五年続く戦争の引き金を引いた満州事変の年。小学六年の女の子が、蘇峰の政治コラムを理解できたのか。娘のノートを父親がスクラップ帳にしたのか。蘇峰の人気はそんなに幅広かったのか。蘇峰のことをもう少し知りたいと思い、この「自伝」を手に取った。 本文:2,678文字 写真:1枚

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西日本新聞

最終更新:10/31(木) 18:00
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