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制度はあるけど、風土がない…本当にイノベーションを起こす組織とは?──ソフトバンク・APU・リクルートの事例から考える

2019/10/31(木) 11:01配信

リクナビNEXTジャーナル

一つのアイデアが新たなビジネスを創る現代において、創造性とイノベーションは非常に重要なキーワードであり、成長のドライバーとも言われています。では、ワクワクするアイデアを生み出し、誰もがリーダーシップ、イニシアティブをとれる組織や、それを実現できる風土はどうしたら形成できるのでしょうか──。
経済産業省の大羽真由氏をファシリテーターに、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明氏、ソフトバンク人事本部・副本部長 源田泰之氏、リクルート経営コンピタンス研究所・エバンジェリスト 藤井薫が語り合います。
※本記事はWindows女子部 、日本人材マネジメント協会HR Cafe研究会主催により2019年8月29日にJBSトレーニングセンターで開催された「創造性とイノベーション。組織で企画を通し、圧倒的な成果を出すことを考える」セミナーのイベントをもとにレポートしています。

イノベーションは既存知の組み合わせから生まれる

大羽:日本の一般的な組織風土の実情として、積極的に新しいことに挑戦することは難しいと思います。創造性とイノベーションを生み出すために、新たな挑戦を積極的に行える風土作りとして取り組んでいる施策などありましたら、お聞かせください。
経済産業省 製造産業局 金属課金属技術室 係長 大羽真由氏
1982年生まれ。2006年、アジア太平洋大学卒業。卒業後は大手信託銀行に入社。2011年に中国に留学。2013年、経済産業省に入省し、2019年5月から育児休暇を取得中。
出口:まず、挙げられるのはやはり女性の活躍です。世界のサービス産業を支えるユーザーの6~7割は女性です。欧米がクオータ制(役職の一定割合を女性に割り当てる制度)を導入して、女性の地位を上げようとしているのは、男女同権もありますが、女性にがんばってもらわなければ、経済が伸びないから。クオータ制は需給のミスマッチを避けようとするための試みなんです。
日本はどうかといえば、世界経済フォーラムによると日本の女性の地位は149カ国中の110位。先進国では、家事や育児や介護は社会が支え、男女ともシェアするという考えが当たり前ですが、日本ではまだ制度も考え方も浸透していません。
立命館アジア太平洋大学(APU) 学長 出口治明氏
1948年生まれ。日本生命で経営企画や国際業務部長などを担当した後、還暦でライフネット生命を開業。2008年にライフネット生命保険を開業、代表取締役社長に就任。2012年上場、2013年同会長。2018年1月より、立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任。歴史に関する著書が多数ある。
さらに言えば、この半世紀に渡り、日本の生産性は世界で20位前後とG7最下位、競争力は30位(2019年)です。僕はまず男女格差を改善しない限り、日本経済のイノベーションは起こらないと考えています。
次に取り組むべきは、ダイバーシティ。イノベーションは既存知の組み合わせという定義が一番シンプルです。この既存値間の距離が遠ければ遠いほど、面白いイノベーションが生まれるという経験則も確認されています。
今の大学はキャリア支援というと、就活支援がメインになっていますが、既存の会社の今ある組織に入って、既存の仕事をしているだけでは、これ以上社会が良くなるはずはないんですね。半世紀前の経済は土地と資本と労働力が基本だと言われていました。でもこれは、広い土地に大工場を作り、お金を集めて最新鋭の機械を入れて、人をたくさん雇っていた製造業の工場モデルが前提です。
一方、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)や、ユニコーン企業(企業としての評価額が10億ドル以上で、非上場のベンチャー企業)のビジネスは、多国籍で優秀な人材たちがわいわいがやがやと議論する中から生まれています。今はアイデア勝負の時代なので、日本でイノベーションを起こそうと思ったら、外国人を含めダイバーシティに取り組み、かつ徹底的に勉強をすることです。キーワードは女性、ダイバーシティ、高学歴です。

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最終更新:2019/10/31(木) 11:01
リクナビNEXTジャーナル

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