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明らかに憲法違反の検閲ではないか 三重・伊勢市展、慰安婦像含む作品が展示不許可に

11/1(金) 16:42配信

47NEWS

 三重県伊勢市と市教育委員会が市美術展覧会(市展)で、慰安婦をイメージした像の写真を使った作品の展示を不許可としたのは、明らかに憲法違反の検閲ではないか。あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」の一時中止や川崎市の「KAWASAKIしんゆり映画祭」での「主戦場」上映見送りに続き、まさに「表現の不自由」が横行している。(共同通信編集委員=竹田昌弘)

 「表現がどんどん萎縮してしまう」

 展示が不許可となったのは、伊勢市在住のグラフィックデザイナー、花井利彦さんの「私は誰ですか」と題するポスター。黒の背景に赤く塗られた手が描かれ、左上に慰安婦をイメージした像の写真がコラージュされている。 

 市のホームページによると、市展は10月29日~11月3日、シンフォニアテクノロジー響ホール伊勢(市観光文化会館)で開催。平面造形、立体造形・工芸、写真、書、グラフィックデザインの5部門で、審査の結果、入賞および入選した作品や審査委員、運営委員の作品などが展示されている。 

 市教委によると、運営委員を務める花井さんの「私は誰ですか」は市民の安全を損なう恐れがあるなどとして、市教委が展示不許可を決め、10月28日に本人へ連絡した。花井さんは像の写真に黒いテープを貼るなどして修正した作品の展示を求めたが、主催者側が作品の改変に関わるべきではないとして、30日に再度、展示しない方針を伝えた。

 花井さんは共同通信の取材に「市による検閲行為で非常に残念。表現がどんどん萎縮してしまう」と話している。鈴木健一市長は31日、市役所に集まった記者たちに「安全な運営が第一の役割と考えた上での判断。作品の芸術性には全く関与していない」と述べた。 

表現の自由、法律によってもみだりに制限できない

 憲法21条1項に定められている表現の自由は「国民の基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであり、法律によってもみだりに制限することはできない」(1974年11月6日の最高裁大法廷判決)とされている。例外は損害賠償責任を負う民法の不法行為や刑法の脅迫、威力業務妨害、名誉毀損(きそん)の罪に当たる表現活動、公共の福祉に基づく規制を受ける性表現などだけだ。伊勢市と市教委は法律でもみだりに制限できない、とりわけ重要な基本的人権をいともたやすく侵害しているのではないか。

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最終更新:11/2(土) 10:54
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