ここから本文です

分離プランや改正法の影響は? ドコモとKDDIの決算を振り返る

2019/11/2(土) 9:52配信

ITmedia Mobile

 NTTドコモとKDDIは、2019年度上期の決算説明会を開催した。ドコモは、売上高、営業利益が前年同期比で減収減益に。対するKDDIは、上期で見ると増収減益だった一方で、第2四半期単独で見ると、営業収益は増収に転じた。ドコモは分離プランにあたる新料金プランを2019年6月に導入したのに対し、KDDIは先行して分離プランへのシフトを進めていたこともあり、結果が分かれた格好だ。

ドコモの減益の要因

分離プランの導入で減収減益に転じたドコモ、見通しはまさかの上方修正

 ドコモの上期は、新料金プランの導入などが重しとなり、減収減益の決算となった。月々サポートをなくする代わりに料金自体を下げているためで、新料金プラン導入前にスタートしていたベーシックパックの影響も、3分の1ほどあるという。売上高は2兆3300億円、営業利益は5403億円で、前年同期で595億円の減収、703億円の減益となった。一方で、減収減益は新料金プラン導入時に想定していた通りだという。ドコモの吉澤和弘社長は「ほぼ計画通りと見ていただいていい」と語る。

 営業利益の増減要因を見ていくと、例年までと傾向が変わっていることも分かる。減益に大きく響いているのが「販売関連収入」だ。新料金プランの導入で端末自体が売れなくなったわけではなく、中身に変化があったのが、その理由になる。取締役常務執行役員 財務部長の廣門治氏によると、「販売減もあるが、重荷になっているのは、粗利を下げたところにある」という。

 ドコモは、分離プランの導入に合わせ、端末の返却で代金の3分の1を免除する「スマホおかえしプログラム」をハイエンドスマートフォンに導入した。一方で、auは11月に仕組みを変えたものの、当時は4年割賦のうち、2分の1を免除していた。ソフトバンクは現在もこの仕組みを継続している。一般的に言えば、免除される額の大きいauやソフトバンクが有利になるが、ドコモはここに粗利を削ることで対抗。もともとの端末価格を抑え、他社に迫る実質価格を実現した。こうした見直しが、大きな減収要因になったというわけだ。

 質的な変化では、分離プラン導入後、「以前より、ハイエンドモデルの比率が減った」(同)といい、ミドルレンジモデルへのシフトが進んでいることがうかがえる。廣角氏によると、「結果として販売平均価格も下がっている」という。

 減収減益となったドコモだが、通期の業績予想は、売上高を上方修正している。モバイル通信料収入は、「導入当初、新料金プランへの移行が少し緩やかだったため、(減収影響が)下期に効いてくる」(吉澤氏)にもかかわらずだ。修正額は600億円に上る。吉澤氏によると、理由の1つは純増数にあるという。「純増についてはいい方向で、計画に対して好調を保っている」と、通信モジュールなどを含め、想定よりもユーザーを獲得できていることを明かした。

 また、分離プラン導入以降も端末販売は好調だという。特にドコモとして手応えを感じているのが、3Gから4Gへの移行だ。「マイグレーションもかなり強化していて、販売が好調。結果として端末機器販売の収入増が見込める」(同)という。

 とはいえ、2019年度は減収減益になることに変わりはない。ドコモは、新料金プランで事業基盤を固めつつ、「スマートライフ領域の着実な成長と、18年年度を上回るコスト効率化に取り組んでいく」(吉澤氏)方針。通信料収入の減収分を上位レイヤーのサービスやソリューションを伸ばして補いつつ、反転攻勢を目指すのが戦略の基本といえる。

1/3ページ

最終更新:2019/11/2(土) 9:52
ITmedia Mobile

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事