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映画「ジョーカー」に抱いた「この上ない爽快感」 日本のロスジェネとの共通点は……赤木智弘さんに聞く

11/8(金) 7:00配信

withnews

映画「ジョーカー」(トッド・フィリップス監督)は、貧困や差別の問題を描いた内容が話題を呼び、ベネチア国際映画祭では最高賞を受賞しました。悪のカリスマの誕生を描く映画について、ロスジェネの代弁者として発信を続けてきた赤木智弘さんは、「この上ない爽快感を味わうことができた」と言います。そして、世にあふれる映画への評価の中には「都合のいいレッテル貼り」があると指摘。それこそが「ジョーカー」が浮かび上がらせた「悪の姿」だと問題提起をします。「『丸山眞男』をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。」で注目を浴びた赤木さんに、「ジョーカー」を読み解いてもらいました。

【画像】ジョーカー演じた主演俳優の「素顔」 観光地になった「あの階段」

ジョーカーはインセルか?

※記事には映画の内容に関する記述が含まれています。ご注意ください。


今回取り上げるのは、日本でもなじみ深いバットマンシリーズの悪役ジョーカーを主役に、いかにしてジョーカーという存在が生まれたのかを描く映画「ジョーカー」だ。

この映画を見る前に、ネット上の評判をいくつか読んだ。

その中でも特に、この話を社会への問題提起だと考える人たちによる「ジョーカーはインセルである」という主張が目についた。

「インセル」とは「involuntary celibate」という不本意な禁欲・独身主義者の略語。「結婚していない白人中年男性」のことであり、「自分たちは白人男性という強い立場であるはずなのに、金もなく家族も持たずに惨めである」というゆがんだコンプレックスから、女性や同性愛者、有色人種といった、歴史的に差別されてきたマイノリティーに対する差別意識を強く持つ人たちのことを指す。日本のネット用語で言うなら「非モテネトウヨ」とでもいうべき存在である。

インセルの存在が社会問題として注目され始めたのは2014年にカリフォルニア州で発生した無差別銃撃事件の犯人がインセルを名乗り、女性嫌悪を全面的に示していたことが大きい。

この銃撃事件の犯人は、同じインセルたちのカリスマとなり、その後もインセルによるテロ事件が発生した。このことから、中年白人で妻や性的パートナーがおらず、殺人を犯し、やがてジョーカーというカリスマに変貌(へんぼう)を遂げる主人公アーサー・フレックを、無差別銃撃事件の犯人と同じような存在だと捉える人がいるようである。

さて、この映画はインセルを描いた作品なのだろうか?

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最終更新:11/8(金) 12:07
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