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上宮高時代のチームメートが証言する「本当の元木大介」

11/5(火) 16:40配信

東スポWeb

【赤坂英一 赤ペン!!】巨人・元木内野守備兼打撃コーチが、ヘッドに昇格した。選手時代、長嶋監督に「クセ者」と呼ばれた男が、原内閣のナンバー2にまでのし上がったわけだ。

 元木ヘッドや宮本投手総合コーチが巨人に復帰した昨年、一部OBから「あんなテレビタレントを集めてどうするのか」と批判の声が上がった。今回も「元木にヘッドが務まるのか」と危ぶむ声は少なくないようだ。

 が、任せてみれば意外に頼りになるのではないか。元木ヘッドは解説者時代から若手の早出練習を見にきては細かい助言をしていた。単なる技術指導にとどまらず、配球の読み方、タイミングの外し方、さらに「演技の仕方」にも及んでいる。

「相手投手の間を崩すには、ただ真っすぐ打席に入ったんじゃダメ。目にゴミが入ったフリとか、怒ってマウンドへ向かうフリとか、いろいろやらなきゃ。そうやって揺さぶりをかけるんだよ」

 当時、テレビで演じていた“おバカキャラ”とはまるで違う元木大介がそこにいた。振り返れば、彼ぐらいイメージで損をしてきた人間もいない。

 1991年の入団時、前年一浪したことを批判されて、元木は一部マスコミにあえて憎まれ口を利くようになった。「悪ガキ」などと書かれると、かえってそういう態度をエスカレートさせていたように思う。ほかならぬ私も、当時は随分批判的な記事を書いたものだ。

 元木が変わってきたのは、長嶋監督にクセ者と命名されたころからだ。脇役ながら常に四方八方に目を光らせ、隠し球のような意表を突くプレーや周囲を笑わせる言動で存在感を発揮している。

 では、本当の元木は、いったいどういう人間なのか。甲子園に出場した上宮高校でチームメートだった人物はこう言う。

「ほんまは、いつも周りの期待に応えようと一生懸命なヤツなんですよ。高校時代は主将で、人一倍真面目に練習してた。早退しようとするヤツを怒ったり、監督に叱られてもじっと黙って耐えてたり。とにかく頼られる主将になろうと頑張ってました。巨人では悪ガキやクセ者だと言われて、周りがそう見てるんならそういうキャラに徹すると決めたんでしょうね。それで、記者にもあえて乱暴な口の利き方をしてたんじゃないかと思う」

 知られざる葛藤を胸に秘めた元木ヘッド。来年から原監督の下でどんな参謀になるのだろうか。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。毎週金曜朝8時、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」出演中。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」(講談社)などノンフィクション増補改訂版が電子書籍で発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」(PHP文庫)など。最新刊は構成を務めた達川光男氏の著書「広島力」(講談社)。日本文藝家協会会員。

最終更新:11/5(火) 16:44
東スポWeb

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