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忘れ去られたコンゴのエボラ熱流行地 携帯電話の材料で紛争、世界最悪の危機 

11/6(水) 7:12配信

47NEWS

 熱帯特有の蒸し暑さの中、3人の医師が黄色い防護服とゴーグル、手袋で全身を隙間なく覆った。透明のビニール素材でできた約4メートル四方の隔離病室に、慎重な足取りで入っていく。ベッドには、目を閉じ口を大きく開けたままの女性(62)が横たわっている。「この患者は助からない」。病室の外で見ていた看護師が、そっと首を横に振った。その言葉通り、女性は微動だにせず半日後に息を引き取った。 

【写真】細胞の表面に集まるエボラウイルス

 昨年8月からエボラ出血熱が流行し、2100人以上が死亡したコンゴ(旧ザイール)東部の主要都市ベニとブテンボで取材した。現地ではダイヤモンドや金、携帯電話に使われるタンタルなど豊富な鉱物を目当てに紛争が続き、エボラ熱の流行前から「世界最悪規模の人道危機」が起きている。コンゴ情勢は日本をはじめ世界中の人々と無縁ではない。だが、国際世論は一向に高まらない。 

 新規感染者は減り流行も都市部から山間部へ移りつつあるが、劣悪な治安や住民の不信感で医療活動が妨げられ、終息にはしばらく時間がかかりそうだ。(共同通信=中檜理) 

 ▽死は日常 の一部

 床のバケツに赤茶色に濁った患者の尿がたまっている。9月中旬、国際非政府組織(NGO)アリマが運営するベニの治療センター。「ピ、ピ、ピ」と心拍数を記録する乾いた機械音が周囲に響く。女性が死亡した翌日には、2歳児が息絶えた。ベニだけで昨年8月以降、450人以上が亡くなり、死は日常の一部となっている。

  「生後7カ月の娘が死んだ」。女性患者マシカ・マスタキさん(26)が、柵で隔離された区画でいすに深く腰掛けながら語った。筆者との距離は約3メートル。声は弱々しく聞き取りづらいが、ゆっくり歩けるまで回復したという。

  娘のカインドちゃんは、地元の病院で同室のエボラ熱患者から感染した。1週間後にぐったりし始め、体中から出血し亡くなった。エボラ熱は空気感染しないが、直接皮膚や体液に触るとうつる恐れがある。素手で看病していたマスタキさんも発症し、高熱や悪寒に苦しんだ。入院から約3週間がたち「夫や(残された)子ども2人に早く会いたい」と声を振り絞った。

  流行を長引かせる一因となっているのが、紛争による治安の悪化だ。

  ▽PKO部隊基地の隣接地区でも襲撃

  「武装勢力の兵士がいる」。運転手が目を向ける先に、銃やロケットランチャーを携え、バイク2台に分乗した若者5~6人が見えた。おのおのが私服や迷彩服を着て、統一感がない。ベニ郊外の山道を車で移動中の出来事だ。事前にNGO幹部から「この勢力は市民を襲わない」と聞いていたが、ここが紛争地であることをいや応なく認識させられる。

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最終更新:11/6(水) 16:33
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