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記者にも思想テスト。中国が締め付けを強化する理由──香港デモに一党支配への危機感

11/6(水) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

中国共産党の重要会議、第19期中央委員会第4回総会(4中総会)が10月末、北京で開かれた。

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4日間の討議の大半が香港問題に費やされたとみられ、習近平指導部が香港問題を共産党一党支配の動揺につながりかねない深刻な問題として受け止めていることを鮮明にした。北京は香港への関与を強化する一方、大陸に波及しないよう国内引き締めを強化する構えだ。

監視社会が作る安定

香港の抗議活動が激しさを増したこの夏、中国各地を歩くたびに目に見える変化を実感する。かつて街を覆っていたギスギスとした空気が薄れ、落ち着きが出てきたのである。北京や上海だけの話ではない。地方都市でもそれを感じる。

バスや地下鉄乗り場で、先を争って列を乱す光景が減り、ドライバーのマナーも格段に良くなった。入国管理官や税関職員が向こうから「ニーハオ」とあいさつし、対応は丁寧になった。

その第1の理由は生活が豊かになって社会が安定し、「ゆとり」がでてきたこと。

そして第2は、顔認証機能の付いた監視カメラが全国に2億台も設置された「監視社会」効果であろう。犯罪が減り公務員のマナーが向上したのも、これが背景のひとつだと思う。

記者にも「習近平思想テスト」

約14億人を束ねる共産党トップが集まる4中総会では、「国内外のリスクと挑戦が明らかに増えている複雑な局面」という現状認識から「安定と発展」が強調された。

抗議活動を統治の問題として正面に据えたのは、1989年の天安門事件以来30年ぶりだろう。共産党が香港問題をいかに重視しているかが分かる。

中国政府は10月末、メディアの記者を対象に習氏の指導思想の理解度を測るテストを実施し、合格者だけに新規の記者証を発行する方針を決めた。さらに、インターネットを通じ「不良な思想や文化が侵入」しているとして、青年を対象にした道徳教育強化を通知したという。いずれも香港問題が「内地」に波及するのを阻止しようとする「防衛策」だ。

豊かになり、安定したように映る中国社会と、党・政府による締め付け強化 ── 。この非対称な世界は、何に起因するのだろう。

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最終更新:11/6(水) 18:01
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