ここから本文です

災害対策~議論すべきは「ボランティア不足」ではない

11/6(水) 17:30配信

ニッポン放送

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月6日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。ボランティア不足、災害に対する日本人の古いマインドについて解説した。

全国社会福祉協議会、防災担当大臣にボランティア運営費の支援を要望

全国社会福祉協議会の清家篤会長は5日、武田良太防災担当大臣に対し、各地の協議会が設ける災害ボランティアセンターの運営に対する財政支援を要望した。自然災害が相次ぎ、今後も継続的な支援を続けるためには財政支援が不可欠だとしている。

飯田)災害ボランティアセンターは、各地に設置されているものです。

佐々木)ボランティア不足という言葉自体がおかしくないか、という指摘はツイッターなどでも多く、ボランティアは自主的に行くことをボランティアと言うわけで、それを国や社会福祉協議会が「ボランティアが足りない」と文句を言うのはおかしいですよね。第一義的には国や自治体が予算を支出して、そのお金で復興するのであって、それに加えて行きたい人がボランティアをするのです。ニュースを観ていたら、防災システム研究所の所長さんがコメントしていて、「ボランティアが足りない。平日に人員を確保するためには、有給扱いになるボランティア休暇を利用する企業ボランティアが必要だ」と指摘していました。確かにそうかもしれませんが、企業ボランティアと言った瞬間に、どこかの会社に勤めている人が「お前、明日ボランティアに行けよ」と言われて、無理やり行かされます。

飯田)「うちの部から10人行かなきゃならないから、お前とお前」みたいな。ノルマですよね。

いつの間にか「自主」から「強制」へ

佐々木)オリンピックでもあったではないですか。都立高校の生徒が無理やりオリンピックのボランティアに行くことになり、サインして先生に出さなければいけないと言われて、こんなのおかしいではないかと疑問を呈していました。なぜか日本では、自主的なものが強制的なものにすり替わってしまいます。

飯田)企業ボランティアが有給扱いで、ということになると、その分企業が費用を支出するのと変わらないことになるから、本来は行政がやるべきところを企業が肩代わりすることになってしまいます。

佐々木)それならいっそ企業からお金を集めて、それで人員を雇えばいいではないですか。

飯田)その方が新たな雇用にもなりますよね。

佐々木)ボランティアの理念は素晴らしい。日本のボランティアはそれほど盛り上がっていなかったのだけれど、ボランティア元年と言われたのは阪神大震災です。あのときにボランティアという行動が普通になりました。それまでは、ボランティアというものは道端でごみを拾う人くらいの認識しかなかった日本人が、あれで初めて災害現場に無給で駆けつける人たちという認識が広がった。以降、災害多発時代になってボランティアは急速に増え、3.11のときもたくさんの人たちが被災地に行きました。一方で、今回の東京五輪がそうですが、宿泊場所もない、交通手段もない、でもボランティア募集というような。マラソンが札幌という話が出たときに、小池知事が「それならば朝の3時にやる」と言い出して、どうやってボランティアが行くのだという話になりました。

飯田)ボランティアは前泊で夜11時集合か、という話にもなりました。

佐々木)前泊と言っても宿泊場所も用意されないから、みんな道端で寝るのかと。

1/2ページ

最終更新:11/6(水) 17:30
ニッポン放送

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事