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「血液クレンジング」厚労省が実態調査 「有効性・安全性を確認され薬事承認された製品はない」

11/6(水) 14:18配信

BuzzFeed Japan

科学的根拠に乏しいのに、クリニックが自由診療で患者に提供し、批判を浴びている「血液クレンジング(血液オゾン療法)」。

患者から採取した血液にオゾンを混ぜて、再び体内に戻す療法だが、疲労回復や美容だけでなく、がんや心筋梗塞、HIV除去にまで効果があるとうたわれている。

この療法の安全性や医療広告上の問題について、立憲民主党の衆議院議員、尾辻かな子氏が11月6日、衆院厚生労働委員会で質問した。

厚労省は、この療法について「医薬品や医療機器として有効性・安全性を確認されて薬事承認された製品はない」と認めつつ、「厚労省として効果や安全性について把握していない」として、実態調査に乗り出していることを明らかにした。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

厚労省も実態を調査 「効果やリスクは把握していない」

尾辻氏はまず、芸能人のSNSでの発信などを通じて「血液クレンジング」が広がっていることについて、この療法に効果があるのか、厚労省でエビデンスなどは持っているのか質した。

吉田学・医政局長は「一定の医療機関に広がっていると言われているが、その効果やリスクについて厚生労働省としては現時点で把握できていない。今、関係学会と連携しながら情報収集をしているところだ」と答弁し、厚労省としても実態調査を進めていることを明らかにした。

また、この療法が自由診療で行われていることについて、

「医療保険の適用については、使用する医療機器等において薬事承認を受けた上で、治療と疾病の関係が明らかであること、治療の有効性・安全性などが確立しているかという点について中医協(中央社会保険医療協議会)でご議論いただいた上で、保険適用している」

「血液クレンジング療法についてはこうした手順が踏まれていないので、保険適用されていない」と答え、国が有効性や安全性を検討して、お墨付きを与えた治療ではないことを強調した。

医療行為、医薬品としての規制は?「薬機法での規制は困難」

さらに、尾辻氏は、BuzzFeed Japan Medicalが記事で指摘したように、アメリカのFDA(食品医薬品局)では2016年から、オゾンの医療用使用は禁止されていることに触れ、こう質問した。

「『オゾンは有毒ガスであり、特定の治療、補助治療、または予防治療において、有用な医療用とは知られていない』とはっきりとFDAでは書かれている。日本で医療用オゾンは承認されているのか? こういう目的で使っていいのか?」

これに対し、樽見英樹医薬・生活衛生局長はこう答弁し、日本で医薬品として承認されたオゾンはないことを示した。

「FDAでもオゾン発生装置は、器具の殺菌に使われる製品が承認されているということであり、人体に作用させるオゾン療法として承認されているものはない。日本も、医薬品や医療機器として同じように有効性・安全性を確認されて薬事承認された製品だけが販売することが認められているが、そうしたものはない」

尾辻氏は重ねて、「自由診療の中で承認を受けていないものが、医療として血液の中に混ぜ込まれて、また体内に入れるということがなされている。それについては何ら規制も注意も今のところないのか?」と、医薬品や医療行為としての規制があるか尋ねた。

樽見局長は「医師の個々の判断に基づき、未承認の医薬品や医療機器を使用することについては、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制の対象外なので、薬機法で規制を行うことは困難です」と答え、日本では医師の裁量で承認を受けていない治療が自由にできる現状を明かした。

尾辻氏はさらに、「FDAのように『オゾンは特定の治療、補助治療、予防治療において有用な医療用途は知られていない』と厚労省は書くべきだと思う。もしくは紹介すべきだと思う」と要望した。

樽見局長は、「FDAの書きぶりもしっかりと確認し、それを踏まえてどういうことができるのか考えてみたい」と、対応を検討する姿勢を見せた。

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最終更新:11/6(水) 17:17
BuzzFeed Japan

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