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いじめやパワハラで病んだとき、組織を出るのはなぜ被害者なの?

11/7(木) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

相談を受けるたび、またかと思う。被害者が組織を離れ、加害者が組織に残るというこの構図。

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学校のいじめや、会社のパワハラに当てはめて考えてみてほしい。いじめられた側がそこを離れ、いじめた側が残るという結果を、今まで数々の場面で見たことはないだろうか。

常習犯上司ではなく衰弱した部下が悩む

私はキャリアコンサルタントとしてさまざまな人から相談を受ける。

上司の無茶振りがあまりにひどく、過労で倒れてしまい、会社に残るべきか悩んでいるという20代女性。女性からの相談では、その上司と今後もうまくやって行けるかが悩みのポイントとなった。

相談に乗っているうちに、ふと違和感を感じた。

なぜ、被害者側がこれほどまでに、問題の上司とうまくやっていけるかを考えなければならないのかと。

聞けば、この上司は過去にも同様のケースで部下を追い込み、退職者も出したことがあるという。いわば、部下をダメにする“常習犯”だ。そんな人を野放しにして、一体、この組織はどこへ向かっているのだろうか。

他にも、20代の会社員男性から「働くうちにうつ症状が出始め、退職を検討している」という相談がきたことがあるが、やはりその人が頭を悩ませていたのは、今後の上司との付き合い方だった。

うつ症状があることを診断書で見せているにもかかわらず、業務量もそのままで、何も配慮しようとしない上司とうまくやっていけるのだろうかという不安が、相談者側につきまとっていた。

「一度、会社の方に相談してみては?」と聞いても、会社は現状を知りながらも何も動きがなかったことから、相談しても期待はできないと言う。結局その人は、いまだに自分の病気に対する上司の理解が得られず、転職活動を始めた。

こうしてまた、被害者側が組織を出て行く。

「あなたにも非があったのでは?」

かく言う私も、会社でベテラン社員からセクハラに遭い精神的に追い込まれた時期があったが、「あなたにも非があったのでは?」という心ない人事担当者の言葉もズシンと重くのしかかり、最終的には組織への居づらさを感じ、そこを離れた。

上司によって引き起こされた過労やうつに苦しむ社員が出た場合、一体どれだけの企業が現場検証や上司へのチェックを行っているのだろうか。過労で倒れるほどまで働かせた上司や、死を意識するほどまでうつ状態に追い込んだ上司の責任は問われたのだろうか?

もちろん、パワハラやセクハラに対する社会の目は、10年前20年前と比べれば、ずっと厳しくなっているだろう。

それでも、被害者側は強く訴えることのリスクを恐れ、うやむやになってしまうことは珍しくない。上司に何のお咎めもなく、何事もなかったかのように働くことができてしまうケースは未だにある。被害者が去れば、何もなかったかのように職場の日常が続く“コトの軽さ”には驚かざるを得ない。

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最終更新:11/7(木) 17:01
BUSINESS INSIDER JAPAN

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