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「続編」開発の経緯とは?『オーバーウォッチ2』試遊インプレッション&ディレクターインタビュー!【BlizzCon2019】

11/7(木) 19:32配信

Game Spark

11月1日から2日にわたって行われたBlizzCon2019にて、独特のキャラクターとストーリーが魅力の対戦FPS『オーバーウォッチ』の新作が発表。お披露目の前から一部のネットユーザーの間で噂されていたものの、新たなシネマティック映像は海外のファンの心をガッチリと掴みました。

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『オーバーウォッチ2』では「ストーリー任務」モードが導入され、ヒーロー達の物語をゲームプレイを通して楽しめます。新ゲームモード、新ヒーロー、エンジンアップグレードやビジュアル調整などなど……多数の追加要素を詰め込んだ本作ですが、オリジナル版『オーバーウォッチ』のサポートも継続。新ヒーロー/マップは前作プレイヤーも無料で利用でき、『オーバーウォッチ』『オーバーウォッチ2』のプレイヤーが対戦することも可能です。

どれも興味深い追加要素ですが、本格的なPvEコンテンツはいったいどのようなものになるのでしょうか? 特殊な位置づけにも見える『オーバーウォッチ2』は、果たして「続編」と呼ぶに相応しい作品なのでしょうか? 本稿では簡単な試遊インプレッションと開発者インタビューを通して、これら2つのポイントについて紹介していきます。


まずは試遊インプレッションからお届け。筆者はBlizzCon会場にて、「Co-op任務」を試遊してきました。そのプレイフィールは対人戦や「アーカイブ」と変わりなく、4人のチームとして戦闘を繰り広げ、大量の雑魚ロボットを倒しながらマップを進んでいく、という流れ。ヒーロー達の生き生きとしたかけ合いは味付けとして素晴らしいものでしたが、プレイに関して特筆すべきものは見当たりませんでした。


正直なところ、今回プレイしたデモ版は「ファンなら絶対に楽しめるが、ファンでない方にとっては他のCo-opシューターと変わらないかもしれない」という印象でした。プレイできたシーンはストーリー初期段階のものと思われるので、話が進めば複雑なギミックやヒーローの多様性を活かすようなステージが出てくるかもしれません。「ヒーローの多様性」は『オーバーウォッチ』の大きな強み。その魅力をPvEでもさらに深く味わってみたいところです。


ここからは、『オーバーウォッチ』ディレクターのジェフ・キャプラン氏の合同インタビューの様子をお届け。展示されていたデモ版や『オーバーウォッチ2』について、詳しいお話を伺いました。

――デモ版では、4人のヒーローからプレイするキャラクターを選択できましたが、製品版ではどうなるのでしょうか。すべてのヒーローから選べるのか、ミッションに応じて選べる対象が決まっているのか、詳しく教えてください。タロン側のヒーローが使えるかどうかも気になります。


ジェフ・キャプラン氏(以下、ジェフ)今のところ、ストーリーミッションの中で用意されたヒーローから選んでいただくかたちになります。デモ版では、ラインハルト、メイ、ルシオ、トレーサーの4人です。内部テストでは、シネマティック映像に登場する他のヒーローを選べるようにすることも検討しています。しかし、選べるヒーローが限定されないと、ストーリーとしては成立しませんね。

「ストーリー任務」におけるタロン側のヒーローについて、今の段階でお話できることはありません。ただし「ヒーロー任務」というリプレイ性の高いモードでは、タロン側のヒーローを選ぶこともできます。

――「大型アップデート」ではなく、『オーバーウォッチ2』というかたちでリリースする理由について教えてください。

ジェフ『オーバーウォッチ』オリジナル版を開発している間に、「もし続編があったらどんなことをするか」とチーム内で考えていました。そこで挙がってきたのが、新モードとストーリー体験、タレント、進行システムを生かしたヒーロー任務、エンジンアップグレードなどのアイデアです。それに加えて新PvPマップや追加ヒーローを作ろう、という話になったのですが、「これは続編として正しいものか」と検討し直したのです。

それらのアイデアには、オリジナル版『オーバーウォッチ』のプレイヤーが置いていかれてしまうかもしれない、という恐れがありました。ゲームの中で育まれたコミュニティーや友達、アンロック要素を無視してはいけないですからね。そうして、それらの積み重ねをスルーしてしまわない形の「続編」を考えられるかどうか、チーム内で相談していました。

――なるほど。置いていかれないように……ということは、全プラットフォームで同時発売ですか?

ジェフそうですね。

――『オーバーウォッチ2』と『オーバーウォッチ』の明確な違いをもう少し詳しく説明していただけますか。説明によると、『2』を購入していないプレイヤーでも新しいヒーローとマップで遊ぶことができるし、クロスプレイもできるとのことでした。これはつまり「オリジナル版『オーバーウォッチ』にPvEコンテンツを足したものが『オーバーウォッチ2』である」ということでしょうか。

ジェフ『オーバーウォッチ』プレイヤーにとっては、今回発表した「ストーリー任務」の規模はそう大きくないと思われるかもしれません。『オーバーウォッチ』には「アーカイブ」というPvEコンテンツがありましたし、それと重ねてしまう方が多いかと思います。


しかし、「ストーリー任務」はそれと比べて遥かに大規模なコンテンツです。リプレイ性の高いモードやお見せしていないミッションもあります。タレントシステムやゲーム進行要素など、楽しめる部分がたくさんありますので、続報をお待ちください。また、エンジンアップグレードに関しては『2』のプレイヤーのみが見えたり使えたりするものもあります。

――リプレイ性について触れられていましたが、「ストーリー任務」「ヒーロー任務」には、スコアアタックやタイムアタックなど、ランキングのようなものはあるのでしょうか。全体のボリュームがどのぐらいになるのかも詳しく聞きたいです。

ジェフリプレイ性についてですが、現在のところ4つの観点から見て、かなりリプレイ性が高いものになるのではと考えています。ひとつ目は「目標のバリエーション」ですね。時間制限やエスコートなど、目標を設定してそれを達成していくこと。「様々なタイプの敵に合わせて戦っていくこと」もそうです。ヌルセクターやタロン、そして未発表ですが新しいタイプの敵が追加されていく可能性もあります。もうひとつは、「ヒーローの組み合わせのバリエーション」です。バンカー構成で戦ってみたり、ダイブ構成を作ってみたり、いろいろな戦い方を楽しんでいただけると思います。


最後に、「ロケーション」ですね。ストーリーミッションで追加される新マップのほか、『1』のPvPマップ、『2』で追加されるPvPマップも入るので、かなり幅広い地域から選べるようになります。ゲーム進行の要素もあるので、かなりエキサイティングで面白いものになると思いますよ。ランキングシステムについては検討していませんでしたが、アイデアとしてとても素晴らしいと思うので、考えてみようかと思います。

――新しいエンジンについて詳しく聞かせてください。『オーバーウォッチ』はもともと6人チームのPvPゲームですが、それをPvEゲームへと作り変えるプロセスも気になります。

ジェフ完全に新しいエンジンではなく、『1』で使われたエンジンをアップグレードしています。これによって、かなり大きいマップも作れるようになりました。そのおかげで、『1』のイベントミッションに比べて、描かれるユニットの数が大幅に増えました。デモ版でプレイできた「リオ」は、今までのマップよりかなり大規模になっています。これまでのサイズ感のPvPマップだと、「リオ」のほんの一部しか描けませんでした。描かれるパーティクルの数、爆発、霧など、表現の幅が増えています。また、アーティストの要望に応じた要素もあります。もっとキャラクターにカメラを近付けられるように、キャラクターの皮、髪の毛、眼なども技術的に改良されました。

――ストーリーミッションはソロでもプレイ可能ですか。例えば、AIの仲間と一緒に遊んだり。

ジェフそうですね。空きのスロットにNPCが入ります。

――PvEの最終目的はどのようになると思いますか? 例えば他のCo-opゲームだったら、協力ミッションをプレイして強い装備を手に入れることが目的になることもあります。『オーバーウォッチ2』の場合は、レベルを上げてタレントを強化することだけが目的になるのでしょうか。


ジェフPvEをプレイし続ける目的は、プレイヤーのタイプによって異なります。単にストーリーが見たいからプレイする方もいれば、ゲームを通して得られるソーシャル体験、友達と楽しくプレイすることを目標にしている方もいらっしゃいます。また、「ヒーロー任務」では腕試しやタイムアタックなど、いろいろな目的を持ってプレイできるでしょう。スキンなど、アイテムアンロックをモチベーションにするプレイヤーもいるかもしれませんね。

それ以外にも、自分がどういったビルドを作っていきたいか、どのようなアビリティをアンロックしていきたいか、という成長要素へのこだわりもあると思います。タレントのシステムは進行要素の一部に過ぎません。今回のデモ版にはありませんでしたが、攻撃力や防御力を上げる、というRPG風の要素もあります。それらのシステムを使って、「今シーズンはどういう風にトレーサーをプレイしようか?」と考えてみることも、楽しみ方のひとつとなるでしょう。

――なるほど。ちなみに、PvEで得られるスキンはPvPでも使用できますか?

ジェフはい、使用できますよ。

――PvPに「プッシュ」モードを投入する狙いは何ですか。


ジェフ新ゲームモードを求める声が非常にたくさん届いていました。いろいろと試しましたが、面白くないものやバランスが調整できないものもありました。その中でできた「プッシュ」はとても楽しく、バランスがとれるゲームモードということで実装を決めました。また「コア」のゲームモードとして、クイックモードでもライバルプレイでも、また『オーバーウォッチ リーグ』の中でもプレイできるようなモードを探していたこともあります。

――ボツになったゲームモードのアイデアについてお聞かせください。とても気になります!

ジェフ『オーバーウォッチ』の開発中に思いついたモードなんですけど、「巨大ロボの中にあるコントロールポイントを奪い合う」というものがありました。その巨大ロボはマップを歩くのですが……ひどい出来でした。ロボが大き過ぎたのです。ウィドウメイカーを選んだプレイヤーは簡単にスナイプできました。

『Team Fortress 2』における5CPのようなモードも試しました。2つのキャプチャーポイントが同時に空いていて、それが動いているようなモードになりました。コレはすごく面白いんじゃないかと思ってましたが、結果としてうまくいきませんでした。トレーサーのような機動性の高いヒーローと、アナやトールビョーンの機動性が低いヒーローの差があまりにも大きかったのです。それに『オーバーウォッチ』のチームサイズは小さいから、「獲得したポイントを守りながら攻撃を仕掛ける」ようなことがなかなかできません。チームは常に一丸となって動いていますからね。

――新生オーバーウォッチのメンバー達の出会いを『2』で語ろうと思った理由を教えてください。

ジェフこれまで語ってきた『オーバーウォッチ』のストーリーでは、ウィンストンがオーバーウォッチのメンバーを呼び戻していました。『2』をこの瞬間で始めればパーフェクトだと思ったのです。ウィンストンにとってもトレーサーにとっても、そしてプレイヤーにとってもかなりエモーショナルな瞬間なのではないかと。ウィンストンが呼びかけても誰も来ないし返事もない、メイとトレーサーとウィンストンの3人だけ……そこからだんだんメンバーが戻ってくる、というところで、かなり感情が揺さぶられるのではないかと思います。


――PvEモードのレベルキャップは「20」までですか?

ジェフ現在は「20」に設定していますが、変わる可能性はあります。特に進行要素に関しては、チーム内で様々なことを実験・検討しています。そんなわけで、レベルキャップは「20」以上になることもあれば、低くなる可能性もあります。先週のバージョンでは「レベル25」までになっていたので、ローンチ時にも変わっているかもしれません。

レベルキャップを考える上で、『オーバーウォッチ2』には他のゲームと大きく異なる部分があります。例えば『World of Warcraft』では、レベルキャップまで育つキャラクターはだいたい1~2体なのですが、『オーバーウォッチ2』に関してはひとつのキャラクターだけを育てることだけが目的ではなく、いろいろなキャラクターを育ててもらいたいと思っています。なので、そうした意図を踏まえてた上でのレベルキャップ設定を考えいます。

――レベルの上げ方はどうなるのでしょうか。ミッションをクリアするだけなのか、それともミッション内のチャレンジ要素や敵を倒した数で経験値やポイントが増えたりすることもあるのでしょうか。

ジェフ検討してる最中ではあるのですが、とても苦労しているところでもあります。今のところ、ミッション終了時に得られる経験値によってレベルを上げているという形をとっていますが、ミッションに挑んでいく中で「どれくらいうまくプレイできたか」というところでも追加ポイントを与えるようなしくみも検討しています。


しかし、ミッション終了時以外のところでポイントを与えると、チーター対策を考える必要が出てきます。対処すべき問題ですが、プレイヤーにとって何が最善となるかを優先するつもりでいます。例えば、現在『オーバーウォッチ』ではハロウィンイベントが開催中なんですが、9勝するとソンブラのデーモンハンタースキンがもらえるようになります。そういったときに、「9勝までしなくてもスキンをもらえるような方法」を提示したい。失敗してもいい、高難易度をトライして成功しなくてもいい……という気持ちにさせたいのですが、実際には設定が難しくなります。そんなわけで、まだ検討中ですね。

――『オーバーウォッチ2』では、最近流行している“バトルパス”のようなシステムを導入する予定はありますか。

ジェフバトルパスのようなシステムについては、チーム内でも良い点と悪い点を挙げて考えていました。バトルパスユーザーにとっては、ゲームに注ぎ込んだ時間とお金がその分だけ帰ってくる、という魅力がありますね。また、『ディアブロ III』で導入されたシーズンシステム形式も検討しています。それで収益化できるわけではないですが、単に楽しく報酬が得られるシステムなので。『オーバーウォッチ2』を続編として開発していることは、ヒーローやゲームモード、PvEなどのすべてを改めることでもあります。私達の前には新しい形で『オーバーウォッチ』という作品を見直すための扉が開かれているのです。

――本日はありがとうございました。

Game*Spark Cameron Gilbert

最終更新:11/7(木) 19:32
Game Spark

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