11月7日~15日の9日間にわたってアラブ首長国連邦のドバイで開催される「パラ陸上の世界選手権」。日本パラ陸連の規定により、同大会で4位以内に入賞した選手は、来年の東京パラリンピック出場が内定する。その“大一番”に挑むのが、車いすランナー渡辺勝(凸版印刷)だ。今大会では800m、1500m、5000m(それぞれ、T54クラス)の3種目にエントリーしているが、長距離を得意とする渡辺にとって、勝負は5000mだ。果たして渡辺は今、どんな心境で大会を迎えようとしているのか。そしてレースのカギを握るものとは――。
2011年、19歳の時から車いすランナーとして走り続けている渡辺。彼のアスリート人生において、最大の悔しさを味わったのは、2016年。リオデジャネイロパラリンピックへの出場を逃したことだ。
あれから3年以上の月日が流れた今、1年後に控えた“4年に一度の舞台”への挑戦を前に、渡辺はどんな心境なのか。
「ひと言でいえば、『すごく良い』という言葉に尽きます。まぁ、パラリンピックの切符がかかる世界選手権にあわせてきているのは、当然と言えば当然ですが、とても順調にきているなと感じています」
開口一番、調子の良さを感じさせる言葉を口にした渡辺の表情には、「やれることはやり切った」という自信と、「あとは本番で力を発揮するだけ」という冷静さが入り混じっていた。
2019シーズン、渡辺はさまざまな新しいトライをしながら、力を身につけ、世界選手権に照準を合わせてきた。
その一つが、6月に行ったマルセル・フグ(スイス)との合同合宿だ。フグはリオデジャネイロパラリンピックでは800mとマラソンの二冠を含む計4個のメダルに輝いた、世界屈指の車いすランナーだ。
そのフグの地元、スイスで行われる国際大会が、毎年5、6月にある。車いすランナーが高速タイムを出しやすい硬いトラックのため、世界中からトップランナーたちがこぞって集結するのが恒例となっており、渡辺も毎年、参加している。
通常は大会を終えると日本に帰国するが、今年はたった一人、渡辺はスイスに残った。世界トップランナーのフグが、レース後、どのような日常を送り、次へのレースに備えているのか。それを自ら体験し、学びたいと考えたのだ。
「これまでは大会の1週間ほど前に現地に行って、マルセル選手らと一緒に最終調整をしていたんです。でも、レース後はどうしているのだろうと。どういうふうに疲労を抜いて、どう次のレースに向けて心身の状態を上げていっているのか、それを知りたいなと。あとは大会前の調整ではなく、ふだんの強度の高いトレーニングを一緒にやってみたいとも思ったんです」
最終更新:2019/11/8(金) 4:44
カンパラプレス





























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