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4、5発続けて殴られても「優しい人」…フリーター夫と離れられない「共依存」 27歳女性が変わるには?

11/7(木) 12:15配信

読売新聞(ヨミドクター)

産業医・夏目誠の「ハタラク心を精神分析する」

 27歳のメーカー社員、上田秋葉さん(仮称)と25歳の夫、琢磨さん(同)が夫婦で精神科外来に相談に来ました。秋葉さんは眠れず、疲れやすいので内科を受診すると、体に異常はないということで精神科受診を勧められました。「精神科なんて初めてで不安だから」と言って、琢磨さんを説き伏せて一緒に来てもらったそうです。診察室で、琢磨さんは開口一番、「特に問題はないです」。それをさえぎるようにして秋葉さんは訴えます。

気分次第で妻を殴る夫

秋葉さん: 主人はとても良い人なんです。でも、私が何か気にさわることを言った時に、急に人が変わったようになって。

私   : 人が変わったように?

秋葉さん: 私を殴るんです。それも、1発ではなくて、4、5発、続けざまにどつくんです。

琢磨さん: オーバーだな。

秋葉さん: 事実でしょ。

私   : 以前からですか?

秋葉さん: 同棲(どうせい)時代からです。

私   : デートの時もそうでしたか?

秋葉さん: デートの時は優しかったんですよ。

 夫婦でのカウンセリングが必要と考え、次回も二人でカウンセリングを受けてほしいと言いました。

琢磨さん: ひどい暴力なんてふるっていないですよ。

私   : 殴る件は置いておきますから。ぜひ来てくださいね。

琢磨さん: もう来たくない。

私   : 二人のお話をうかがわないとカウンセリングにならないのです。

琢磨さん: 来ないよ。今日も来たくなかったんだ。

 診察室から出て行ってしまったので、その後は秋葉さんだけのカウンセリングになりました。

殴られても好きな人

私   : 暴力ですね。

秋葉さん: 「痛いからやめて!」と叫んでも、やめてくれないんです。

私   : ひどいですね。

秋葉さん: 夫は半分意識がなくなったような状態で、ベッドの上でぼう然としているんですが、30分してから、「秋葉ごめん、許してくれよ。殴るつもりなかったんだ」「二度としないから」と涙を流して、謝るんです。その繰り返しです。

  (つらい話なのに、うっとりした表情です)

秋葉さん: 殴ったところを、手でさすってくれるんです。

私   : 優しくしてくれるの?

秋葉さん: つい許してしまうんです。抱きしめられて、痛みがなくなっていく。そうすると、殴られたことも、何もかも飛んでいってね……。「私、幸せ」と思うんです。

私   : DV(ドメスティック・バイオレンス)について、「殴られても好きな人」という言葉がありますが、その通りですね。今日はここまでにして、次回にしましょう。

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最終更新:11/7(木) 12:15
読売新聞(ヨミドクター)

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