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同志社大、次世代二次電池の金属負極を長寿命化。数千回の充放電サイクルでも電池容量維持、EVの走行距離2倍以上に

11/7(木) 6:05配信

鉄鋼新聞

 同志社大学は6日、亜鉛空気二次電池や亜鉛ニッケル二次電池などで用いる金属負極を長寿命化する技術を開発したと発表した。金属負極の充放電サイクル特性を大幅に向上する技術。亜鉛負極を用いた二次電池で5500サイクルの充放電データを取得し、充放電電圧に大きな変化がなく、放電容量が初期値の90%以上を維持できることを世界で初めて実証した。同負極を用いた次世代二次電池の技術開発を促進するため、金属材料や電池に関わる幅広い分野の企業・研究機関が参画する金属二次電池コンソーシアムを形成し、金属二次電池の実用化と早期の社会実装に向けた研究開発を進める。

 従来の金属負極は、充電で金属が析出し、内部短絡や電池容量の低下を引き起こすため、二次電池に利用できなかった。これに対し同志社大の盛満正嗣教授らの研究グループは、溶液中のイオン分布を均一に維持する「反応空間を規制できる負極」を開発し、金属の不均一な析出を抑制することでサイクル特性を飛躍的に向上させた。これにより、電気自動車の走行距離を現行の2倍(800キロ)以上にすることが可能な亜鉛空気二次電池や、ハイブリッド自動車への応用が期待されている亜鉛ニッケル二次電池の充放電サイクル特性を大幅に向上させることができる。同技術は、リチウム空気やリチウム硫黄など非水系と呼ばれる金属二次電池へも応用可能だが、まずは水系(亜鉛二次電池)の二次電池での実用化を目指す。
 今後は、金属二次電池コンソーシアムを形成し、当初3年間を実施期間として亜鉛二次電池の実用化を目指す。開始時期は来年4月を予定し、12月にコンソーシアムの説明会を行う。参画機関には開発した技術の使用の優遇措置を図り、オールジャパン体制で研究開発を進めたい考え。盛満教授は「3年間あれば亜鉛ニッケルは自動車に搭載できるプロトタイプができると考えており、亜鉛空気もそれほど時間をかけずに形にできると思う」と話し、「電池に使う亜鉛、ニッケルは回収し、リサイクルできる。寿命が長く、リサイクル可能な電池になる」と話した。
 なお、同技術開発は、DOWAホールディングスのDOWAテクノファンドによる支援で行われた。

最終更新:11/7(木) 6:05
鉄鋼新聞

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