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阿蘇中岳、活発な活動続く 地下でマグマ上昇、長期化や降灰増懸念

11/8(金) 11:07配信

熊本日日新聞

 阿蘇中岳第1火口の噴火は半年が過ぎ、火山活動の高まった状態が依然、続いている。夏以降、マグマの一部を灰として噴き上げる「灰噴火」が続き、専門家は1989~90年ごろの活動に似ていると指摘。マグマが地下約2キロまで上昇しているとの推測から「本格的なマグマ噴火に移れば、降灰量の増加や長期化の可能性もある」と注意を促している。

 第1火口は4月14日、小規模噴火の可能性があるとして噴火警戒レベルが2に引き上げられ、火口周辺1キロの立ち入りを規制した。その直後、2年半ぶりにごく小規模な噴火が発生。湯だまりは消失し、1日当たりの火山ガス(二酸化硫黄)放出量は増えた。7月下旬からは連続噴火となり、地下のガスやマグマの動きを示す火山性微動の振幅が増減を繰り返している。

 マグマだまりは通常、草千里の地下6キロにあるとされる。しかし、京都大火山研究センターの大倉敬宏教授は観測から、マグマが地下約2キロまで上昇してきたと推測。阿蘇火山博物館の池辺伸一郎館長も「8月から火山灰にマグマのガラス成分が多く含まれ、既にマグマ噴火の一形態に入った」とみる。

 ただ、この状態のまま約3カ月停滞。大倉教授は今後、マグマの供給が増えて火口近くまで上昇すれば、マグマの破片やしぶきを間欠的に噴き出す「ストロンボリ式噴火」に移行する可能性もあると指摘。火口表面付近の温度や地殻変動を観測し、マグマの推移を注視している。

 「灰噴火が3カ月以上続く状態は、89~90年ごろの活動に似ている。助走期間の長さを考えると、今回も長期化する可能性がある」と大倉教授。この時はマグマ噴火が断続的に4年ほど続き、大量の降灰があった。このまま活動が鎮まる可能性もあるが、「今のうちに機械類への灰対策や風評被害への対応を、89~90年当時を経験した人に聞くなど備える必要がある」とした。

 一方、前回マグマ噴火のあった2014~15年ごろの規制範囲は現在と同じ火口周辺1キロ。大倉教授は「本格的なマグマ噴火になったとしても、当面は現状の規制範囲で対応可能だ」と話している。(中尾有希)

(2019年11月8日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

最終更新:11/8(金) 11:07
熊本日日新聞

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