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【井上尚弥の父・真吾トレーナー手記】天才って言われるけど「冗談じゃねえよって」小1から血と涙がにじむ練習

11/8(金) 6:19配信

スポーツ報知

◆プロボクシング世界戦 ▽ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級(53・5キロ以下)決勝12回戦〇WBA、IBF王者・井上尚弥(12回 判定3―0)WBAスーパー王者ノニト・ドネア●(7日、さいたまスーパーアリーナ)

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 WBSSのバンタム級初代王者に輝いた井上尚を6歳から指導し、セコンドとして息子の戦いを見守った父の真吾トレーナー(48)が、スポーツ報知に喜びの手記を寄せた。

 優勝おめでとう。本当にヒヤヒヤしたけど、いい意味で初心に戻れる試合になった。左フックをもらってまぶたを切ってから少し想定外の展開だった。今後、精進して、いろいろと挑戦していきたいと思います。

 親として毎回、心配はあります。キッズの時から、ずっと。ナオやタクを選手として見たことは一度もない。学校の運動会と同じで、自分の子供が出ればドキドキする。でも、その心配を自信に変えるような練習はしてきたから。

 ナオのことを天才って言われたりするけど、内心、冗談じゃねえよって。できないこともできるようにするため、血と涙がにじむような練習を小1から続けてきた。そんなに簡単に片付けられたくない。努力は天才に勝るんです。

 ナオがボクシングを始めたのは6歳の時。僕が家で練習する姿を見て、強くなりたいと感じたようだ。ボクシングをやりたいと言ってきた時はびっくり。僕は真剣にやっていたので、趣味の延長みたいな感じで教えるのは嫌で「そんなに甘くないよ」「試合になれば減量もある」と何度も確認したけど、ナオはしっかりした目力で「約束する。俺は強くなりたいんだ」。男と男の会話だった。

 19歳で結婚して、子供ができて、信じられないほど、メチャクチャうれしかった。3人の子供には愛情や思いやりを持って接しています。あいつらを思うことしかない。両親が離婚してオヤジがいなかったから、自分は子供の味方でいてあげようという気持ちが強いんです。

 自分が半人前で、かみさん(美穂さん)と2人合わせて一人前。自分が子供を叱ると、かみさんが必ずフォローを入れる。「父さんは、こういう気持ちで言ったんだよ」と伝えてくれる。長女(晴香さん)もずっと協力してくれて、洗濯など身の回りの世話や、昔はマッサージなども。ナオは自分と性格が似ていて、ナオのかみさん(咲弥さん)はウチのかみさんに「おかあさん、ちょっと聞いて。(尚弥は)お父さんと一緒よ」なんて言っている。みんな、仲良し。ウチは一人も欠けてはいけない。

 子供には自分の仕事ぶりも見せてきた。塗装会社を経営していて、ナオは仕事場に3度ほど連れていった。昼間、こういうことをして、何人雇って、どう指示して、どういう仕事をするのかを見せたかった。1日連れ回し、帰りに2人でラーメンを食べた。うまかった。ナオは覚えているかな?

 これからも父としてボクサー・井上尚弥、拓真に接していく。3人で一緒に戦っていきたい。

 ◆井上 真吾(いのうえ・しんご)1971年8月24日、神奈川・座間市生まれ。48歳。中学卒業後、塗装業で下積み。20歳で独立し「明成塗装」を起業した。ボクシング歴はアマチュアで2戦2勝。2009年に井上ジムを設立するも、12年に長男・尚弥の大橋ジム入門を機に同ジムトレーナーに就任した。家族は妻、娘と息子2人。

 

最終更新:11/8(金) 12:31
スポーツ報知

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