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工場のネットワーク構築を「5G」でやる意味は?

11/8(金) 18:15配信

ITmedia Mobile

 日本でもようやく商用化に向けた動きが活発になった「5G(第5世代移動通信システム)」。当初は「LTE(4G)がもっと速くなったもの」という文脈で、スマートフォンやワイヤレスブロードバンド用途において普及が進むと見られている。

【Wi-Fiじゃなくて5G(またはLTE)が期待される理由】

 ある程度5Gが普及した段階で、次のユースケースとして期待されているのが産業用途だ。5Gの「超高速」「超低遅延」「超多接続」という特徴に、自営の5Gネットワーク「ローカル5G」を組み合わせることで、「インダストリー4.0(第4次産業革命)」を実現できるのではないか、という期待も寄せられている。

 ただ、ローカル5Gの“先祖”でもある「プライベートLTE」(※)も含めて、先行する事例を見ていると「それってWi-Fi(無線LAN)でもできるんじゃないの?」と思える。

 なぜ、産業の高度化にプライベートLTEやローカル5Gを使う必要があるのだろうか。エリクソン・ジャパンが開催しているプライベートイベント「エリクソン・フォーラム 2019」の発表内容や展示を踏まえつつ、解説していく。

※ LTE規格を用いた自営ネットワーク。プライベートLTE規格として、日本では1.9Ghz帯を利用する、TD-LTE規格ベースの「sXGP」が存在する

LTE/5Gは「エリアカバー」を広げやすい

 エリクソン・ジャパンの親会社であるEricssonは、スウェーデンの企業。そのこともあってか、Ericssonが関与しているプライベートLTEやローカル5Gの事例の多くはヨーロッパや北米に集中している。

 その1つが、オランダのロッテルダムにある港湾「Rotterdam World Gateway(RWG)」での事例だ。RWGでは3.5GHz帯を使ってプライベートLTEネットワークを構築し、積み荷を船から運び出すAGV(無人搬送車)の制御を始めとする各種通信に用いている。この事例では、47箇所に設置していたWi-Fiアクセスポイントを、2つのLTE基地局に置き換えた。

 類似の事例として、カナダのAgnico-Eagle(アグニコ・イーグル)が所有する地下金鉱での取り組みもある。この事例では、地下3kmの位置に広がる金鉱で、850MHz帯を使ったプライベートLTEネットワークを構築し、Wi-Fiネットワークを置き換えた。従来は、6kmの坑道1つ当たり60個のWi-Fiアクセスポイントでカバーしていたエリアを、プライベートLTE化後は1つの基地局でカバーできているという。

 これら2つの事例を通して分かるのは、LTEはWi-Fiよりも少ない基地局(アクセスポイント)で広いエリアをカバーできるということだ。元々モバイル通信規格として生まれたことのメリットの1つを生かしている。

 もちろん、同じ周波数帯を使うという前提に立てば、このことはローカル5Gでも同様だ。

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最終更新:11/8(金) 18:15
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