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河井案里氏、広島県議に現金か 春の選挙中、公選法違反指摘も

11/8(金) 7:00配信

中国新聞デジタル

 自民党の河井案里氏(46)=参院広島=が春の広島県議選(3月29日告示、4月7日投開票)の期間中に現金を持ってきたと、複数の自民党県議が証言した。7日までの中国新聞の取材に答えた。いずれも「当選祝い」「激励」などの名目で、その後に返したとしている。河井氏のこの行為は、公選法が禁じる買収の申し込みや寄付行為に当たるとの指摘がある。河井氏の事務所は「公選法に抵触することは一切していない」とコメントしている。

公選法が禁じる買収と寄付のイメージ

 河井氏は自民党県議だった3月中旬、7月の参院選広島選挙区で改選2議席の独占を目指す党本部の主導で、党で2人目の公認を得た。県議選の期間中は党県議の事務所を回るなどしており、この過程で一部に金を持参したことになる。今回の行為について、河井氏の説明責任が問われる。

 県議の1人は選挙期間中、事務所を訪ねてきた河井氏から「当選祝い」として白い封筒を受け取ったという。現金が入っており、金額は「数えてはいないが、50万円くらいだったと思う」と振り返る。参院選の話は出ず、その場で返したと説明する。金の目的については「領収書は示されず、政治資金として適法に処理する雰囲気ではなかった」と明言した。

 別の県議も選挙期間中、事務所で河井氏から封筒を示されたという。「激励ということだったが、現金だと思った。チラシなどとの違いは分かる」と、中身を見ずに返した。「『参院選ではよろしく』などの言葉はなかったが、そういう意図は感じた」とし、参院選での支援に期待した行為だったと見立てる。

 さらに別の県議2人の元にはいったん河井氏側が金を持参した。2人は後日、広島市内の河井氏の事務所を訪れて返した。当事者や、当事者から直接話を聞いた県議が証言した。事務所で対応したのは河井氏ではなかったという。

 専門家や県選管によると、選挙の立候補予定者や現職の政治家が個人として有権者に金を渡した場合、公選法が禁じる買収の申し込みや寄付行為に当たる可能性がある。政党支部や後援会などの政治団体を通じて候補者に贈る場合、政治資金規正法に基づき、領収書を得て収支報告書に記載する必要がある。

 河井氏には参院選で、選挙事務所が車上運動員13人に公選法の上限を上回る日当3万円を払ったとする疑惑が浮上。河井氏は選挙事務所の運営や事務について「法令順守の方針の下、信頼できるスタッフにお願いしていた」とした上で「事実関係の把握に努め、説明責任を果たしたい」とコメントした。この疑惑が報じられたのを受けて、夫の克行氏(広島3区)は10月31日に法相を辞任した。(樋口浩二、久保友美恵)

 <クリック>公選法が禁じる買収と寄付 公選法は、候補者を当選させる目的で有権者や運動者に金銭や物品を渡すことを「買収」として禁じている。候補者本人が違反した場合、4年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金と定める。選挙の候補者または立候補予定者が、選挙区の人や団体に寄付することも禁じている。

 ■渡す時の発言、解明必要 日本大の岩井奉信教授(政治学)の話 河井氏が現金を渡したのであれば、公選法違反(買収申し込み)の可能性がある。金を渡したのが選挙が始まる前であっても、買収とされた判例はある。買収の申し込みに当たるかどうかの判断は、河井氏が渡した金に「参院選での応援をよろしく」という意味があるかどうかが大きな争点となる。本人が渡す時にどんな発言をしたのかなどを解明する必要がある。

 ■寄付が禁じられる立場 広島大大学院の茂木康俊准教授(行政学・政治学)の話 公選法は、立候補予定者が選挙区内の人に寄付することを禁じている。河井氏が金を渡したとされる時期は参院選への立候補を表明した後のため、県全体で寄付行為が禁じられる立場にあったと思われる。河井氏は車上等運動員の買収疑惑も指摘されているが、いまだに記者会見も開いていない。国会議員として説明責任を果たす義務がある。

中国新聞社

最終更新:11/8(金) 11:14
中国新聞デジタル

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