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寒さで現れる皮膚障害 本人も気付いていない病気が原因のことも

11/8(金) 12:03配信

Medical Note

想定外の台風被害に多くの人々が被害をこうむり、いまだに復興が進まない状況が続いています。台風襲来時は激しく気流が変化する影響で、ぜんそく、鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患が悪化してしまうことが多いようです。東京では10月になっても2度の真夏日が観測されるなど暑い秋の始まりとなりましたが、さすがに朝晩の冷えは少しずつ進んで、冬の訪れの準備が必要な季節になってきました。自己免疫疾患や糖尿病、脳血管障害などの基礎疾患があると寒冷により四肢末端の神経や血管の障害が起こりやすく、適切なケアをしていないと重篤な症状まで進行してしまうことも。患者さんご本人がそうした基礎疾患に気づいておらず、寒冷暴露による皮膚の症状から我々皮膚科医が診断し、治療が適切でないと指摘することもあります。【東邦大学医療センター大森病院皮膚科臨床教授・関東裕美/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇「手の指が白く」…驚いて受診した女性の病名は

ある寒い朝、手の指がまだら状に白くなっていた、と40代の女性が驚いて受診に来ました。発症してから数時間がたっているそうですが、指は白いままでチクチクした感じがすると訴えています。

これは「レイノー現象」と呼ばれ、寒さにさらされ指の細い動脈が急速に収縮することで起こります。温めると正常な皮膚の色と感覚が回復します。

レイノー現象は膠原病(こうげんびょう)の患者さんでよく見られるため、この女性も原因となる基礎疾患を疑い、検査をしました。その結果、皮膚や内蔵が硬くなる「全身性強皮症」の初期症状だったことが分かり、治療につなげることができました。

◇「しもやけ」の原因は膠原病?

登山の遭難報道で時に聞かれることがある凍傷は、皮膚の直接冷却によって組織が凍結することによる末梢循環不全で起こります。血流が途絶すれば組織は腐ってしまいますから、救命されても壊死(えし)した部位を失うことになってしまうのです。

似た言葉に「凍瘡(とうそう)」があります。これはいわゆる「しもやけ」のことで、凍傷の一種とされています。寒暖の差がある初冬と春先に起こりやすく、血管が狭くなる狭窄(きょうさく)やふさがってしまう閉塞などの器質的障害はありません。小児期や女性に多くみられ、遺伝が関与することが多いようです。

しもやけは、時に「エリテマトーデス」や「強皮症」、「シーェグレン症候群」など自己免疫疾患(膠原病)の症状の可能性もあり、積極的な検査が必要な場合もあります。

しもやけ予防には防寒と早期からの治療が大切で、局所の血流改善マッサージや炎症を取る目的でステロイド外用薬を使用すると軽快します。

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最終更新:11/8(金) 12:03
Medical Note

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