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三重・伊勢市駅前再開発ビル 市福祉部門入居構想で紛糾 議会「賃料高い」「説明ない」

11/9(土) 10:26配信

毎日新聞

 三重県のJR伊勢市駅前で民間団体が建設を進める「伊勢まちなか再開発ビル(仮称)」を巡り、8日開かれた伊勢市議会全員協議会が紛糾した。地上12階建てビルの3フロアに、市の福祉部門がテナントとして入居する構想に対し、市議会側は「賃料が高すぎる上、議会に事前説明がない」「議会軽視だ」などと反発、鈴木健一市長に謝罪を要求するという異例の騒動となっている。

 再開発ビルの事業主体は、地権者らで設立した「伊勢まちなか開発」(同市河崎)。鉄骨造地上12階建て(延べ1万4000平方メートル)で、今年6月に同市宮後1に着工し、来年3月に完成予定。同市は5~7階を借り上げて、高齢者や障害者、生活困窮者などの相談や支援を行う保健福祉拠点とする案を持っている。

 当初、事業者側は市の入居を想定しておらず9階建ての予定だったが、市の構想を受けて12階建てに変更した。これまでに市が市議会側に示した資料によると、ビルの耐用年数を55年間として試算した賃貸料は約71億円。購入した場合は約60億円にのぼる。

 事業者、市の両者は、賃貸借に関する諸条件などを取り決める「基本合意」を昨秋に締結する予定だった。ところが、市議会側から「伊勢の玄関口に保健福祉施設を整備することの費用対効果が疑問」「そもそも入居を持ちかけたのは市か事業者か」「高額の債務負担が長期に及ぶことで市民への負担が懸念される」などの疑問の声が相次ぎ、現時点でも基本合意は結ばれていない。

 この日の全員協議会では、事業者側と情報交換をした一部の市議が「事業者側から仮に市が入居しなくとも賃料を請求すると言われた」との発言も飛び出した。中山裕司議長は「説明も報告も足りない。当局の要望を議会がすべて認めると思うのは議会軽視だ。市長は謝罪せよ」と怒気を込めて発言。鈴木市長は「そう思われているのであれば不徳の致すところ。おわびします」と謝罪した。

 だが、全員協議会では市との合意した点は皆無で、市側は今後の議会対策に頭を悩ませている。【尾崎稔裕】

最終更新:11/9(土) 10:26
毎日新聞

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