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元看護師、トマト農家に 藤田さん(富士)経験糧に就農 「食」で人を笑顔に

11/9(土) 11:00配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 富士市の藤田奈那さん(29)が現役農家の父親から独立した形で新規就農し、トマト生産に挑んでいる。原動力は、看護師時代の経験。病後に自力で食べることができた患者の表情に、食の大切さを痛感したという。

 母と同じ看護師として働くなどした後、日本農業経営大学校(東京)に入学したのは2016年春。元々トマトが好きで、日本農業法人協会の「農業の未来をつくる女性活躍経営体100選(WAP100)」に選ばれているトマト生産のデリシャスファーム(宮城県、今野文隆社長)で研修し、高水準のハウス栽培に魅了された。ネギを栽培している父親とは別の道を歩もうと決意した。

 学び直しを思い立ったきっかけは編入した大学の看護学部で学ぶ傍ら、夜間に病院でアルバイト勤務した時の経験だった。脳梗塞などで手術後に固形物が食べられなかったり、嚥下(えんげ)障害に苦しんだりする患者に寄り添った。それまでチューブから栄養を取っていた患者が自分で飲み込めるようになった瞬間、表情が変わるのを目の当たりにした。「本当に『生きている』という表情。口から食べることは大事だと思い知った」

 今年1月、父親から譲られた10アールのハウスで栽培を始めた。食の大切さを痛感したことから機能性に富んだ品種を選択。早朝5時にはハウスに入り、ひとり、試行錯誤する日々の中で、父親の偉大さにも気付いたという。

 8月末まで沼津中央青果(沼津市)や富士市内の直売所などに出荷して今季は終了。現在は来季に向け戦略を練る。藤田さんは「販売先のスーパーで手に取ってくれた女性がいて『私のトマトだ』と感動した。来季はパワーアップし、トマトを笑顔で作り、人の笑顔を作りたい」と話す。

 農業経営者として新規就農する女性は徐々に増えている。県農業ビジネス課によると、新たに農業経営をする「認定新規就農者」の女性は県内で15年度13人、16年度21人、17年度25人。イチゴなど施設園芸を中心に女性でも農作業しやすい環境が整い、子どもに安全安心な農作物を食べさせたいという食への関心の高さが背景にあるとみられる。

静岡新聞社

最終更新:11/9(土) 11:00
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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